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平成の北大理系数学 -2017年-

大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、北海道大学の2017年の問題を取り上げます。

 第1問

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平方数に関する整数問題です。(1)が(2)のヒントになっています。

 

(1)は、a=の式に直してn≧1で評価すればよいです。

 

(2)は、(1)でa=14とした場合になるので、(1)で示した不等式によってkの値が絞られるので、個別にチェックしましょう。

 

<筆者の解答>

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 第2問

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三角関数の最大最小、積分の問題です。

 

(1)は、f(x)を微分して増減を調べましょう。

 

(2)xcosxの積分は、部分積分で計算します。

 

(3)絶対値を外す必要があるので、f(x)=0となるxを知る必要があります。一見にきれいに求まらないかと思いきや、実はx=3/2πが解になっています。

 

これと(1)の増減を利用して、適切に絶対値を外していきましょう。

 

<筆者の解答>

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 第3問

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複素数平面での点の存在範囲を求める問題です。

 

(1)Pは△OABの外心なので、OP=AP=BPつまり|z|=|z-α|=|z-β|を満たします。これにz=αβを代入すると、|α| = |α-1|, |β| = |β-1| が求まります。これはα,βがつねに0と1から等距離にある、ということで、0と1の垂直二等分線、つまり実部1/2の複素数になることが分かります。

 

(2) (1)の結果から、α=1/2 + ia, β= 1/2 + ib と書くことができるので、zの式が求まります。zの実部Xとzの虚部Yの満たすべき式を求めるわけですが、2次方程式の解と係数の関係を使って、aとbが異なる2つの実数になる条件として求めてあげるとよいでしょう。

 

<筆者の解答>

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 第4問

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すごろくを題材とした確率の問題です。

 

(1)サイコロを10回振って初めて10以上になるのは、最初の9回全てが「1」となるときです(10回目は何が出てもOK)。

 

(2)サイコロを9回振って初めて10以上になるのは、

・最初の8回が全て「1」

・最初の8回中,「1」が7回、「2」が1回出て、9回目に「2」以上が出る

の2パターンがあるので、それぞれ確率を計算しましょう。

 

(3)サイコロを3回振って初めて10以上になるとき、2回振った結果が4から9となっていないといけません。それぞれに対して、サイコロの出方を総当たりで調べてしまいましょう。

 

<筆者の解答>

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 第5問

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三角形と円の包含関係を調べる問題です。

 

(1)Dは条件を処理すると、基本的に円の式になります。円が潰れないためには半径が0以上であればよいです。(半径0のとき、Dは中心だけになります)

 

(2)Dの中心をQとしたときに、Dの半径がAQ, BQ, CQのうち最長のものよりも長ければよいわけです。

 

(3)(2)とは逆に、Qから△ABCの各辺までの最短距離より、Dの半径が小さければよいです。

 

<筆者の解答>

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