東大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、東北大学の2017年の問題を取り上げます。
第1問
絶対値付き2次関数と直線との交点を考える問題です。
(1) まずC自体が(-2,0)を通ることに注目しましょう。よって共有点のうちの一つは(-2,0)で確定です。残りの共有点が2個になる条件は、グラフを描けばわかりますが、lの傾きが、Cの接線よりも小さくなっていることです。その条件を求めましょう。
(2) (1)と同様にlが(2,0)を通る時も議論できます。問題は(±2,0)のどちらも通らない場合ですが、これは、lがCの-2<x<2における接線になっているときになります。
上記計3通りを合わせたものが、答えになります。
<筆者の解答>
第2問
確率の問題です。
これは(1)(2)ともに、各得点の発生確率を総当たりで調べてしまったほうが良い問題です。面倒ですが、全調査しましょう。
<筆者の解答>
第3問
整数係数の2次方程式の解の条件を考える問題です。
(1)は、解の公式を考えると、√の中身b^2 - 4ac が平方数であれば解は有理数になります。そのようになるa,b,cを全調査です。
(2)は、(1)で調べたa,b,cの組それぞれで実際に解を調べつくしてしまうのが結局早いです。NGになる例は2個しかありません。
<筆者の解答>
第4問
三角形絡みのベクトルの問題です。
(1) これは典型問題です。FがCD上の点であり、かつAE上の点でもあるという2つの関係式からAFベクトルの表式を求めます。比が文字で書かれている点が少し面倒ですが、確実に押さえたいです。
(2)は少し難しい問題です。
AG=gACとして、AG⊥FGからgの式を求めに行きます。すると、FGの長さがα×(sによらない定数)と書けることが分かるので、αの値を最大化することを考えればよいことになります。
<筆者の解答>
第5問
複素数の方程式の問題です。
(1)は、γの部分に注目できれば、(*)の複素共役を取って引き算をすればよいのでは?と気づけると思います。
(2)は、γが実数だとすると(1)の式からγが消えてくれます。すると、(α-β*)zが実数であることが分かります。
よって、t=(α-β*)zとすればzの個数はtの個数と一対一対応するので、tの個数を数える問題に帰着します。
あとは、(*)をtの2次方程式とみなして、それが2つの解を持つ条件を求めればよいです。
<筆者の解答>
第6問
三角関数の積分の問題です。三角関数絡みのテクニックのオンパレードです。
(1)は、(指数関数)×(三角関数)のタイプの積分です。このタイプは、e^〇×cos△の微分と、e^〇×sin△の微分を用意することで、直接原始関数を求めに行きます。
(2)は、三角関数×三角関数のタイプの積分です。積分は、掛け算と相性が悪いので、和積の公式を使って、三角関数の部分を足し算に分解して考えましょう。
(3)4つの三角関数の積になっているので、これまた和積の公式を使って(2)が使えるように2つの三角関数の積の足し算に分解しましょう。どの2つをまとめるかですが、どれでもいいですが、できるだけ計算後に出てくる数字が小さくなるように組み合わせるとよいです。
すると、求める積分は(1)(2)の結果からI(1,〇t)の足し算で書けます。
ここで(1)を使ってあげると、b→∞でI(a,b)は0に収束することが分かります。結局、極限を取るとI(1,0)しか残りません。あとはI(1,0)を計算してお終いです。
<筆者の解答>