ちょぴん先生の数学部屋

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平成の九大理系数学 -2006年-

大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、九州大学の2006年の問題を取り上げます。

第1問

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対数を含む方程式の実数解についての問題です。

 

(1) f(x)=logx/xの増減を調べて、1/3nが極大値より小さいことを示しましょう。

 

(2)f(x)のグラフを書けば、αnとβnの配置がわかります。あとは、f(e^(1/n) )とf(ne)の値と1/3nとの大小関係を調べればOKです。

 

<筆者の解答>

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第2問

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ベクトルの問題です。

 

(1)は典型問題です。QについてはOP上にあり、かつAM上にあるという条件から求めます。

 

(2)ORはaベクトルの定数倍です。これとQR⊥AMという条件からORを求めます。

 

(3) (2)ができれば瞬殺です。

 

<筆者の解答>

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第3問

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整数問題です。

 

(1)平方数を3で割った余りが0か1になることに注目して考えます。

 

(2)数学的帰納法背理法のセットで考えます。

akとbkが互いに素だと仮定すると、もしak+1とbk+1が公約数gがあった時に矛盾する という流れです。公約数gは、素数としても一般性を失わず、素数とした方が見通しが良くなります。

 

<筆者の解答>

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第4問

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絶対値付関数についての問題です。

 

(1) sinx-1/2が1/2か-1/2になっていればよいです。

 

(2)xの値による場合分けが当然発生することになります。

 

(3)f(x-π/2)がどの形の関数になるかを考えないといけません。その形はaの値によって変わりますので場合分けです。

 

<筆者の解答>

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第5問

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定義域と値域が一致するかを考える問題です。

 

(1)f(x)のグラフを書けば明らかでしょう。

 

(2)はaとbの間にf(x)の軸が来るか否かによる場合分けが必要で、その都度f(a)=aかつf(b)=bになるか、あるいはf(a)=bかつf(b)=aになるかを考えないといけません。特に後者の検討が難しいポイントです。

 

<筆者の解答>

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