ちょぴん先生の数学部屋

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平成の名古屋大理系数学 -2004年-

大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、名古屋大学の2004年の問題を取り上げます。

第1問

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すごろくを題材にした確率の問題です。この問題の特徴は、8をオーバーしそうになったらその分逆走するという点です。これが問題を難しくしています。

 

(1)n=2では、まだ逆走の影響がないので考えやすいでしょう。

 

(2)n=3から逆走の影響が出始めます。3回分の出方を総当たりで調べるほかないです。

 

(3)一度3に到達すると、2以下に戻ることはないので、一度も8に達することなくk回後に3,4,5,6,7にいる確率を定義して漸化式を立てます。

 

3,4,5,6,7のどこにいようとも次に8に達する確率が1/6なので、これらの確率の合計値を求めれば十分です。

 

<筆者の解答>

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第2問

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連立方程式の解を考える問題です。

 

(1)うまく式を選んで足し引きすると、左辺が全く同じな2本の方程式ができます。方程式が解けるためには、右辺が一致していないといけません。

 

(2) (1)の解が(ⅱ)も満たし、かつ一通りでないといけないので、解の候補がさらに絞られます。

 

<筆者の解答>

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第3問

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cosの倍角を題材にした関数列の問題です。

 

(1)は、帰納法で示しましょう。

 

(2) |x|≦2となる解は、(1)を使うと求めることができます。このとき、x=2cosθの形以外の解がある可能性を排除できていませんが、fn(x)=0はn次方程式で、2cosθの形の解がn個求まってしまうので、これ以上解がないことが示せます。

 

ここからxnの形が求まるので、積分ガリガリ計算していきます。

 

(3) (2)ができていれば、sinx/x→1を使うテンプレの極限計算となります。

 

<筆者の解答>

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第4問(a)

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例のごとく第4問は選択問題です。今回はどちらを選んでも大差ないです。

(a)問題は、円の内接、外接を考える問題です。

 

この問題は、計算がしやすいように座標軸を設定して図に書いてしまえば、中心間距離と半径の関係をガリガリ使って解くことができます。

 

<筆者の解答>

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第4問(b)

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(b)問題は、整数問題です。

 

この問題は、ユークリッドの互除法を使って、xn+1, xnの最大公約数を計算しに行きます。

 

<筆者の解答>

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