ちょぴん先生の数学部屋

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平成の阪大理系数学 -1999年-

大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、大阪大学の1999年の問題を取り上げます。

第1問

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指数関数と1次関数の交点を考える問題です。

 

(1)x1, x2の満たす条件を並べて解いていきます。1次関数の方が処理が楽なので、指数関数を消去する方針で進めると見通しが良いです。

 

(2)PQ=1という条件からcがaの式で表現できます。

最後の極限計算には、「微分係数の定義」を利用することになります。

 

<筆者の解答>

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第2問

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座標平面上の正三角形の各頂点の座標は、少なくとも1つは無理数になってしまうことを証明する問題です。

 

証明方針は、もちろん背理法です。2つの頂点を有理点としたときに、最後の1つの頂点が有理点だと仮定すると矛盾が発生することを示します。

 

このときに利用する方法が、a,b,cが有理数で、a+b×(無理数) =c となっているとき、a=b=c=0でないといけないという性質です。

 

<筆者の解答>

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第3問

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正六角形の各頂点と、中心を通る直線との距離の2乗和が一定になることを証明する問題です。

 

計算しやすいように座標軸を設定しまいましょう(A1,A4がx軸上に乗るようにする)。直線の式はy=mxと一般に書けますが、対称性から、0≦m≦1/√3=tan30°まで考えれば十分です。

 

<筆者の解答>

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第4問

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直交する正三角柱の共通部分の体積を求める問題です。

 

考えやすい断面を選ぶ必要がありますが、片方の三角柱の断面が常に一定となるz断面で切るのが良いでしょう。

 

結果、断面は、正三角形を少し直線で切り取った図形となります。

 

<筆者の解答>

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第5問

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回転対称性を考察する考察する問題です。

 

回転対称性から、16個のマス目を4つのグループに分けることができます。同じグループに属するマス目は、回転によって重ねることができます。

 

AとBのマス目が重ならないのは、お互いに違うグループのマス目を塗りつぶした場合となるので、そのような場合の数を調べていきましょう。

 

<筆者の解答>

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