ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

平成の一橋数学 2010年

文系数学の最難関、一橋大学の2010年の問題を取り上げます。

第1問

f:id:stchopin:20200808230533p:plain

3次関数を題材にした複素数と整数の問題です。

 

(1) 一般に、実数係数のn次方程式が、虚数解a+biを持っていれば、その複素共役a-biも解になります。

 

これを利用することで、p,q,rをa,b,cの式で表すことができます。

ここから、s(c)-s(a)を具体的に計算してみましょう。

 

(2)は整数問題です。

(1)で求めたp,q,rの関係式から、これらが整数になることは明らかでしょう。この関係式を使って考えていきます。

pが偶数でかつqが4の倍数の時、cは偶数でかつa^2+b^2は4の倍数になります。この時にa,bの偶奇を考えていきます。

 

ヒントは、平方数を4で割った余りは必ず0か1になる、です。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200809145608p:plain

 

第2問

f:id:stchopin:20200808230556p:plain

 

3次関数の接線に関する問題です。

 

(1)傾きがmになる時の接点A,Bの座標を直接計算し、中点Cの座標を直接計算してみましょう。

 

(2)直線ABの式を作って、係数比較を行います。ABの式を作る際に、(1)の結果を使うと楽になります。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200809145628p:plain

 

第3問

f:id:stchopin:20200808230616p:plain

空間内の平面へ原点から下した垂線の足の座標を求める問題です。

 

(1)△ABCを底面にして三角錐OABCの体積を計算することを考えましょう。体積自身と△ABCの面積を地道に計算しましょう。

 

(2)△ABCの単位法線ベクトルを求めてしまえば、Hの座標= OHの長さ×単位法線ベクトル で求まります。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200809145648p:plain

f:id:stchopin:20200809145706p:plain

 

第4問

f:id:stchopin:20200808230638p:plain

漸化式を用いた整数問題です。

 

(1)anを10で割った余りをbnとしてb1, b2,・・を順に計算していきましょう。どこかで必ず周期になりますので、そこまで粘るのみです。が、意外に1周するまでが長く不安になります。。。

 

(2) anの漸化式は具体的に解くことができるので、一般項を求めてしまいましょう。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200809145725p:plain

 

第5問

f:id:stchopin:20200808230658p:plain

サイコロの目が連続する場合を考える、確率の問題です。

 

(1)「少なくとも」というワードが出てきたら、まずは余事象を考えるようにしましょう。

今回の余事象は、同じ目が1回も連続しない、です。

 

(2) これも同じく余事象です。同じ目が一度も連続しないか、一度しか連続しない確率を考えます。

前者は(1)で既に求めているので、後者を計算します。Xk-1 = Xkとなる確率を計算してシグマを取ればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200809145745p:plain