文系数学の最難関、一橋大学の2006年の問題を取り上げます。
第1問
整数問題です。
ピタゴラスの定理から、p^2 = q^2 +r^2 となるp,q,rを求めることになります。
(1) 平方数を4で割った余りが0か1にしかならない、という有名な性質を使って考えましょう。
(2) (1)の結果から、rを偶数としても一般性を失わないです。これをもとにrが素数になる(つまりに2になる)か否かで場合分けして検証します。
最後に、qとrを入れ替えたものも答えになるので、忘れないようにしましょう。
<筆者の解答>
第2問
正三角形の回転についての問題です。
(1) A, B, Cの座標を問題文と合うように設定して解いていきます。A', B', C'の座標は、A, B, Cのx座標とy座標を入れ替えたものです。
(2)△ABCと△A'B'C'を実際に図に描いてみると、合同な直角三角形がいくつか出てくるので、それを用いて面積を計算できます。
<筆者の解答>
第3問
ベクトルの絶対値の最大最小を考える問題です。発想力の要る問題です。
(1)a,b,cのなす角を決めてz^2を計算してもうまく最大最小を調べることができませんので、別のアプローチが必要になります。
ここで使える武器として、「三角不等式」があります。| |a|-|b| | ≦ |a+b| ≦ |a|+|b| という関係式です。
これを使って|z|の上限と下限を調べて、それぞれの等号条件がどんなときかを考えることになります。
(2) こちらは簡単です。z・aの値から、|z|^2の値をb・cだけで表すことができます。
<筆者の解答>
第4問
3次関数の接線についての問題です。
(1)aとbが正という条件と、交点が2点という条件から、Pが接点になっていることが分かります。Pのx座標をpとして処理していきましょう。
(2) (1)の式と3次関数の式を連立します。
(3) OPベクトルとOQベクトルの内積が0になることから、aとbの満たす関係式が求まります。これをbの方程式と解釈したときに、正の実数解を持つaの条件を求めることになります。
<筆者の解答>
第5問
確率の問題です。
(1)n個の数字の和は最低でもnなので、Xnはn, n+1, n+2, n+3の4個しかありません。これら4パターンについて、起こりうる状況を考えて確率を計算しましょう。
(2)Ynが8で「割り切れない条件」の方が数えやすいので、こちらを考えることにします。
Ynが8で割り切れないのは、Ynが
・奇数
・4で割り切れない偶数
・4で割り切れ8で割り切れない偶数
の3パターンあるので、個別に確率を考えます。
<筆者の解答>