ちょぴん先生の数学部屋

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平成の一橋数学 2005年

文系数学の最難関、一橋大学の2005年の問題を取り上げます。

第1問

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3次方程式が整数解を持つ条件を求める問題です。

 

3つの整数解をa,b,cとすると、解と係数の関係から、

a+b+c=0, ab+bc+ca=-13, abc=-k となるので、前2つの式からa,b,cを求めればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

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第2問

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円と直線に関する問題です。

 

(1) 直線NAの式を作ってCの式と連立するだけです。

 

(2) (1)と同様にしてQの座標が求まるので、AQベクトルとPBベクトルが平行という条件を地道に処理してaとbの関係式を作りましょう。

 

(3)円周角の定理を使うと、∠ANB=45°なら、∠POQ=90°と分かりますので、こちらの条件からa,bのもう1つの関係式を求めて(2)の関係式と連立しましょう。

 

関係式は2つともa,bの対称式なので、a+bとabの連立方程式と読み替えると見通しが良いと思います。

 

<筆者の解答>

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第3問

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三角関数の和に関する問題です。

 

(1)加法定理を使ってθとkをバラして愚直に計算します。

 

(2)同様にしてf4(θ)を求めましょう。

 

(3) (1)での計算から、fn(θ)は、nが5周期で同じ形をとることが分かります。よって、f1(θ)~f5(θ)を全て求めて、それぞれの最大値を考えればよいでしょう。

 

[12/18訂正]

nは6周期の誤りで、f6(n) =sinθが抜けておりました。最大値の結果は変わりませんが、その時のnは「6で割った余り」が2の自然数です。答案にあるmod5をすべてmod6に読み替えてください。。

ご指摘頂いたえびおさん、ありがとうございました!

 

<筆者の解答>

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第4問

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2つの放物線で囲まれる領域についての問題です。

 

(1) 両者を連立して2つの実数解を持つ条件を求めましょう。

 

(2) 1/6公式を使えば楽に面積計算できます。

 

(3)問題文の意味が分かりにくいですが、要するに「y=g(x)の通過領域かつy=f(x)の上側にある領域」を考えればよいです。

 

通過領域の求め方は、

1. aの方程式を作った時にそれが実数解を持つx,yの条件を調べる (逆像法)

2. xを固定してaを動かしたときのyの取りうる値を調べる (順像法)

の2つがあり、答案では2の順像法を採用しています。

 

<筆者の解答>

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第5問

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確率の問題です。

 

(1)AとBの両方が4勝以上になるには、8試合以上やらないといけません。この時点でn≦7ならxn=0で確定です。

 

このとき、n回目にA(B)が4勝目を挙げるとすると、n-1回目までにA(B)が3勝、B(A)がn-4勝してることになります。

 

(2)xnとxn+1の比を取って、xnの増減を調べましょう。

 

<筆者の解答>

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