ちょぴん先生の数学部屋

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平成の一橋数学 2004年

文系数学の最難関、一橋大学の2004年の問題を取り上げます。

第1問

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正6角形の内部にある長方形の面積を最大化する問題です。

 

面積を最大化したいので、少なくとも長方形は全ての頂点が正6角形の辺に内接しているはずです。このとき、長方形の辺の1つが正6角形の辺の一つと平行になるので、この下で考えます。

 

正6角形の中心を原点とするような座標軸を取って頂点の座標を計算してあげればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

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第2問

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放物線と整数の融合問題です。

 

(1)背理法で考えます。もし∠BAC=60°だと仮定すると、加法定理でこねこねすれば「√3=有理数」となって矛盾します。

 

(2)内積を使うと、因数分解を使う整数の典型問題になります。

 

<筆者の解答>

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第3問

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複素数平面の問題です。

 

(1) 同一直線上にある条件は、z^3 - z がz^2 -zの実数倍になることです。それ以前の「相異なる」という条件からzとしてありえない値があることに注意しましょう。

 

(2) 頂角と等しい辺の選び方が3通りあるので、それぞれ辺の長さの条件から考えましょう。

正三角形となる条件は、3頂点すべてが頂角となることです。

 

<筆者の解答>

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第4問

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3次関数と2次関数の接線に関する問題です。

 

(1) 2曲線の交点の座標を求めて、そこでの接線の傾きが一致するか否かを調べましょう。

 

(2) (1)からlの式がaで書けるので、(u,v)を通るという条件からaの3次方程式ができます。これが3つの実数解を持つ条件を考えましょう。

 

<筆者の解答>

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第5問

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確率の問題ですが、「kがnの約数」という条件のせいで難問となっています。

 

(1)いきなりx+yを考えるのは難しいので、x,yを別個に考えることにします。もし、xをkで割った余りがlだったら、yをkで割った余りがk-lであれば、x+yはkの倍数になります。

よって、xの余りがl、かつyの余りがk-lとなる確率を考えればことになります。

 

ところで、kがnの約数なので、kで割った余りがlになる整数は、lによらずちょうどn/k個あります。これを利用すれば、求めたい確率を計算できます。

 

(2)xyがkで「割り切れない」確率を考えたほうが早いです。

 

xyがkで「割り切れない」のは、

1. x,yが両方pで割り切れない

2, x,yが両方qで割り切れない

の「少なくとも一方」が成立するときです。

 

(1)の結果を使って、この確率を計算しましょう。

 

<筆者の解答>

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