ちょぴん先生の数学部屋

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平成の一橋数学 1995年

文系数学の最難関、一橋大学の1995年の問題を取り上げます。

第1問

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実数をできるだけ精度よく有理数で近似する、いわゆる「ディオファントス近似」を題材にした問題です。が、0.4は2/5と簡単に分数で表現できるので、正直何をしたいのかがよく分からない設定の問題ですね。。

 

絶対値を外してあげると、0.39≦n/m≦0.41→39m≦100n≦41mとなるので、

こうなるm,nを、mが小さい順に虱潰しに調べるしかないと思います。

 

<筆者の解答>

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第2問

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三角形の辺の長さを求める問題です

 

(1)∠APC=θとして、余弦定理の式を2本立てると効率よく計算できます。

 

(2) (1)の方法を使ってAP^2, BQ^2, CR^2をa,b,cの式で表現して、連立しましょう。

 

<筆者の解答>

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第3問

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1次変換と、直線の通過領域を求める問題です。

 

まず、x=1上の点を(1,p)として、これを移動させることでltの式を求めましょう。

 

通過領域は、

1. 順像法:xを固定してtを動かしたときにyの取りうる値を調べる

2. 逆像法:tの方程式が0≦t≦1に解をもつx,yの条件を求める

 

という2通りの解法があり、答案では1を採用しています。

 

<筆者の解答>

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第4問

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立体の体積を求める問題です。

 

まずは、P(x,y,z)の満たす条件を考えていきましょう。

|PA| + |PB| ≦8からは、楕円球(ラグビーボール型)、PA・PB≦9からは、球が求まります。

両方ともx軸について回転対称なので、xz平面での断面を考えて、それをx軸周りに回転してあげればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

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第5問

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確率の問題です。

 

(1)いきなり≠は考えにくいので、x1=x2またはy1=y2となる確率を考えるとよいでしょう。今回は、x1=x2とy1=y2は同時に起こらないことに注意しましょう。

 

(2) 直線x+y = k (整数)上にある格子点から2つを選ぶ方法を考えることに帰着しますので、格子点の個数を数えましょう。

 

<筆者の解答>

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