ちょぴん先生の数学部屋

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21世紀の早稲田理工数学 2005年

私立最難関の一角、早稲田大学理工学部の問題を取り上げます。今回は2005年です。

 第1問

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四面体の内接円についての問題です。

 

(1) 頻出問題ですが、ABベクトル、ACベクトルを使って公式に当てはめます。

 

(2)△OABの外周と面積を利用します。

 

(3) 四面体の体積と表面積を使います。

 

(2)(3)ともに、座標じゃなくて半径を求めよ、、で十分だったのでは?

 

<筆者の解答>

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 第2問

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円周上の点への実数の割り当て方を考える問題です。

 

(1) (*)に従って連立方程式を立てればよいでしょう。

 

(2)(*)に従ってc3以降を計算していきます。c7が末尾になるかならないかで状況が変わるので、m=7の場合とm≧8の場合とで場合分けが発生します。

 

(3) (2)の結果から、ciは6周期で循環することが分かりますので、mを6で割った余りで分類するとよいでしょう。cmが「末尾でない」として作った値と、「末尾だ」として作った値が一致する条件を考えることになります。

 

<筆者の解答>

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 第3問

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確率の問題で、(3)が難問です。

 

(1)Xがちょうどkになる確率は、「k以下だけr回引く確率」-「k-1以下だけr回引く確率」で計算できます。

 

(2)は公式通りに素直に期待値計算できます。

 

(3)rが一般の場合の期待値も公式通りに計算を進めることができ、極限は区分求積法を使いそうです。

が、式の中にk/nだけでなく(k-1)/nが混入しているので、そのままではうまくいきません。

そこで、不等式を使って両者をうまく分離し、はさみうちの定理に持ち込みます。

 

<筆者の解答>

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 第4問

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複素数平面の問題です。

 

(1) |z|=1なので、z=cosθ+isinθとかけます。これを使って、wの実部と虚部をθを使って表現しましょう。

 

(2) dx/dθ, dy/dθを計算して、公式に当てはめます。

 

<筆者の解答>

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 第5問

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パラメータ表示された曲線の面積に関する問題です。本問は(2)まで解ければ十分で、(3)は捨ててしまって全く問題ありません。

 

(1) tの正負によって場合分けしつつ、dx/dt, dy/dtを計算します。

x軸で接するときは、y=0かつdy/dx =0となり、y軸で接するときは、x=0かつdx/dy = 0となります。

 

(2) Cの概形を描いて、区間に注意しつつ積分計算します。多項式と指数関数の入り乱れたかなり複雑な計算ですが、頑張って最後までやり切りましょう。

 

(3)は、難問というより悪問の類です。手計算でこんなシビアな評価をさせる意味が分かりません。(2)までで十分実力は測れるのに、こんな誰もできない(3)をつけて何の得があるのか。。。

 

実際に大小比較をしようとすると、eとπの近似値を使うわけですが、eとπのどっちを先に不等式評価するかが自明でないですし、「最も小さくなるように・・」とか「最も大きくなるように・・」という視点で不等式評価するとうまくいきません。手計算でやろうとすると、それくらい試行錯誤の必要なシビアな評価になります。第一試行錯誤の度に3桁の掛け算を要求されるのですから、無理難題です。

 

ということで、(3)は明らかな捨て問なので無視していいです。

 

<筆者の解答>

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