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平成の阪大文系数学 2016年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では大阪大学の2016年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の阪大理系数学 -2016年- - ちょぴん先生の数学部屋

第1問

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2次方程式の解と、整数問題です。

 

(1) f(x) = x^2 -kax +a -k とすると、f(-1/a)>0, f(1)≦0となることが分かります。f(x)は途中でちぎれていない連続なグラフなので、この時はx軸との交点が必ず存在します。

 

(2) 一見すると(1)と関係ない問題のように見えますが、「k = (n^2 +a)/ (an+1) が整数となる整数nを求める」と言い換えてあげると、式変形すれば(1)のf(x)を使って、f(n)=0となることが分かります。つまり、f(x)=0が、nと(1)で考えたsの2つの解を持つ、と言えるわけです。

解と係数の関係を使うとsが整数だと分かり、(1)の結果からs=0,1しかありえません。よって、それぞれの場合についてn,kを調べればOKとなります。

 

<筆者の回答>

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第2問

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絶対値付き2次関数と直線との交点を考える問題です。

 

(1) 直接CとLの形状を描いて検討しようとしても捉えどころがなく難しくなってしまいます。ここは、両者を連立した式を、「xの式=t」の形に直して、左辺のグラフと直線y=tの交点数を考える方が分かりやすいです。「定数分離」という頻出テクニックです。よって、左辺の式のグラフを描くことに注力しましょう。

 

(2) (1)の4つの解を小さい順にα,β,γ,δとすると、αとδ, βとγとで解と係数の関係を作ることができます。

また、P1~P4の点間距離は、すべて同じ直線状にあるのでx座標の差に比例することが分かりますのでα,β,γ,δを使った簡単な式で書くことができます。

これらを使って考える方程式を簡単にしていきましょう。

 

(3) (2)ができていれば基本的な積分の問題です。

 

<筆者の回答>

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第3問

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理系第1問との共通問題で、理系でいうところの(2)が省略されています。

詳しくは理系の記事をご覧ください。