ちょぴん先生の数学部屋

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平成の北大文系数学 1997年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では北海道大学の1997年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の北大理系数学 -1997年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

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円の接線に関する問題です。

 

(1) lの式を文字で置いて、Cと接する条件を考えましょう。「lと原点の距離=半径r」の処理でもよいですし、lとCを連立した式が重解を持つ条件を考えても良いです。

まぁ、接点の座標を計算するので、後者の方が良かったかもしれませんね。。

 

(2) Qの座標は、方程式を使って計算しても求まりますが時間がかかります。ここは相似を使って図形的に求めてしまったほうが早いです。Qの座標が求まれば、tを消去すれば軌跡が求まります。x,y座標の取りうる値の範囲のチェックを忘れないようにしましょう。

 

<筆者の回答>

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第2問

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整数の桁数と最高位の数字を求める問題です。

(1)(2)ともに、常用対数を取って調べる教科書レベルの問題です。

 

<筆者の回答>

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第3問

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長方形の面積に関する問題です。

 

(1) 図を描いて、OP'とOQ'の長さを計算しましょう。

 

(2) Sをtで微分して調べればよいですが、tの範囲と、aの値による場合分けが発生することに注意です。

 

<筆者の回答>

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第4問(a)

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複素数平面に関する問題です。

 

wの式みたく、複素数の累乗・逆数が登場する式については、z=a+biとおくのは分が悪いです。極形式z=r(cosθ+isinθ)と置いてあげれば、累乗と逆数が簡単に計算できます。

 

wを具体的に計算して、実部が正になるr,θの条件を計算しましょう。答えは、BMWのロゴみたいな感じになります(笑).

 

 

<筆者の回答>

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第4問(b)

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光の反射に関する、ベクトルの問題です。

 

(1) まずはベクトル方程式のままでは考えにくいので、lを見慣れたy=の式で書きなおしてあげます。そのもとで、「OO'はlと垂直」、「OO'の中点はl上にある」という条件を処理すればO'の座標が求まります。

 

(2) 光の反射については、lについて対称な点を考えるのが基本です。(1)がうまくヒントになっていて、図を描いてあげるとl'の方向ベクトルをO'Qの方向にすればいいと分かります。bをaだけの式で書ければ方向ベクトルを成分表示できます。

 

<筆者の回答>

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