ちょぴん先生の数学部屋

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平成の阪大文系数学 1989年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

最終回の今回は大阪大学の1989年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の阪大理系数学 -1989年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

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回転行列と絡めたベクトルの計算問題です。

 

(1)fを表す行列をAとするとAはθの式で書けます。与式を整理すると、(E-A)b=aとなるので、E-Aが逆行列を持つことを証明しましょう。

 

(2) p=(x,y), a= (a,b)とおいて愚直に計算します。とはいえ、実際に計算するとbとa-bが対称的な形になるので、そこに注目して式変形するとよいでしょう。また、回転行列の性質から、|f(p)| = |p| になります。

 

<筆者の回答>

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第2問

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球面と平面の交線に関する問題です。

 

まず簡単なC1について処理してしまいましょう。z=0を代入するだけでC1の式が求まるので、C1を含む球面Sの一般式を書くことができます。

 

C2については、中心と平面の距離を計算すると0となるので、C2が球面のちょうど赤道になることが分かります。ここからC2の半径と中心が分かります。

 

球面Sの中心をA, C2の中心をDとしたとき、もしC2がSに含まれるなら、ADは平面x+2y+2z=4の法線ベクトルになっているはずです。そうなるようにAの座標を決めてあげると、AとC2上の点との距離が、見事Sの半径と一致します。

 

<筆者の回答>

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第3問

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3次関数の決定問題です。

 

(1)問題文に「3次関数」と明記されていないので、a=0の場合も考える必要があります。

極値の情報からf(x)は(x-3)^2で割り切れることが分かるので、a≠0の場合とa=0の場合に分けて考えましょう。

 

(2) (1)ができていれば、典型的な積分の計算問題です。

 

<筆者の回答>

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第4問

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三角関数の取りうる値の範囲を調べる問題です。

 

t=sinxとすれば、絶対値の中身がtの2次関数になるので、-1≦t≦1でのこの関数の取りうる値を調べることになります。最小値が-3以上、最大値が3以下ならOKです。

aの値で場合分けして調べましょう。

 

<筆者の回答>

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