今年度から始まったセンター試験改め共通テストの問題を見ていきます。
まずは数学IAを扱います。
※試験当日に解いており、ミスがあるかもしれません。
<略解>
[1/18追記] 採点した結果、2か所ミスをしてしまっておりました。すみませんでした。
2, ツ→正解は①
4, シ→正解は6
<個別解説>
第1問 [1]
2次方程式の解に関する問題です。
(1)(2)ともに教科書レベルの基本問題ですね。
(1)はたすき掛けの因数分解、(2)は解の公式、分母の有理化ができるかを確認する、そんな問題です。
5/αの整数部分を答えるシは、√65の整数部分が分かれば取るに足りません。
(3)は2次試験でも頻出のテーマで、√の中身が平方数であれば有理数解になりますね。
√の中身97-16cが0以上という条件の時点でcの候補は大分限られるので、あとは個別に調べるのが良いでしょう。「97-16c = n^2とおいて因数分解に持ち込む」という発想も一時頭をよぎりましたが、文字が2つあるのでうまくいきません。
<筆者の回答>
第1問 [2]
三角比の諸公式を使って、三角形の面積を考察する問題です。
(1) cosをsinに変換し三角形の面積を計算する基本問題です。この時点で△ABCと△AIDの面積が等しくなることに気付くはずです。
(2)訊き方こそ変わってはいますが、正方形の面積がa^2, b^2, c^2となることに気付ければ、鋭角三角形or直角三角形or鈍角三角形の判定条件を訊いているんだなと分かります。判定条件などと大袈裟に言わずとも、直感的に明らかですが。。
(3) (1)での気づきがここで伏線回収されます。(1)と同じ理屈で残り2つの三角形も△ABCと同じ面積になります。
(4) 三角形の辺の長さの情報は余弦定理、外接円半径に関する情報は正弦定理でゲットできます。大小関係を決めるカギは、cosがプラスになるかマイナスになるかです。cosCの符号を決めるのは、Cが鋭角か鈍角かですね。丁寧に大小関係を調べましょう。
<筆者の回答>
第2問 [1]
今年無事に東京五輪が実施できるかかなり怪しいですが、100m短距離走にまつわる関数の問題です。こういう実用的な設定の問題が出るのは嬉しいですね。
(1) xの単位は[m/歩], zの単位は[歩/s] なので、速さの単位[m/s]を作ろうとすれば、xとzを掛け算するしかありません。この時点で②と⑤に候補が絞れ、2で割る理由がどこにもないため⑤のxzで確定です。
センター特有の考え方を書きましたが、単位の違う量は足し算できないことを理解していれば候補の絞り込みは容易かったはずです。
(2)
前半は、もはや中学数学ですね。直線の式をz=ax+bとおいて、aが傾きで、例えば(x,z)=(2.1, 4.6)を通るとして代入しbを決めるという基本問題です。あとは、zの最大値が4.8となるようにxの最小値を決めてあげればよいでしょう。
後半は、yがxの2次関数になるので、平方完成をしてあげればよいでしょう。
<筆者の回答>
第2問 [2]
各種データの読み取りの問題です。
(1)箱ひげ線図の読み取りを問われています。久しく使っていなかったので私自身忘れていましたが、以下のような定義になっています。
(出典:箱ひげ図の意味 | 高校数学の美しい物語 (mathtrain.jp))
四分位数は、データを小さい順に4つにグループ分けしたときの両端の数字です。
この知識に基づいて、グラフと睨めっこしましょう。
(2) 箱ひげ線図とヒストグラムの対応関係を見つける問題です。
1985年のグラフは、箱ひげ線図の最小値と最大値を調べれば一択に絞れます(なのに読み間違って凡ミスする私は一体・・・)
1995年のグラフは、最大最小だけでは②と④と候補が複数残ってしまいます。ここは、箱ひげ線図の箱の位置に注目するとよいでしょう。第3次産業の箱ひげを見ると箱が左に偏っているのが分かります。ということは、ヒストグラムの方も左に寄っているはず、、これで④に決まります。
(3)散布図の相関の読み取りです。ここでいう「相関」というのは直線関係のことです。上下を見比べて直線具合が強くなっているか否かを判断しましょう。感覚の問題になってしまいますが。。。グラフを見ると、第2次産業と第3次産業の負の相関が強くなっているのに、他の2つの相関は弱くなっていますね。どう解釈するのがよいか、現時点で筆者にはうまい解釈が思いつきませんね。。
(4) 散布図の読み替えに関する問題です。問題文に「男性と女性の合計が全就業者」というヒントがあります。このヒントを使えば、グラフを上下にひっくり返したものが答えだと分かります。
<筆者の回答>
※(2)の1985年のグラフについて、第1次産業の最大値を読み違える凡ミスをしてしまいました。。正しくは①ですね。
第3問
確率の問題です。
(1) 反復試行の確率と条件付確率を計算させる教科書レベルの問題です。問題文に、条件付確率を計算するヒントまで書かれていますので、計算ミスさえ注意すれば簡単です。
(2) たかだか候補が5個しかないので虱潰しで調べるのも良いですが、確率自体が比で計算する代物なので、「比」なのかな?という直感は働いても良いと思います。(3)の会話文も約分を連想させるヒントになっています。
(3) 箱Cの情報を追加して、条件付確率を計算し直します。計算ミスに要注意です。
(4) 事実(*)を使えば、A~Dの各箱について3回中1回当たる確率の大小が、条件付確率の大小と一致することが分かるので、3回中1回当たる確率の大小関係を調べましょう。
<筆者の回答>
第4問
1次不定方程式を題材にした整数問題です。
1次不定式の解き方は、まずは解を1組見つけて引き算し、互いに素な性質を利用する。です。
(1)答案では合同式を使った厳密な解き方をしていますが、試験場では5x-3y=1の1桁の解を見つけてくればOKです。5という数字のおかげで探しやすいはずです。
(2) は、まさに上記の1次不定方程式の解法をそのままなぞっています。
(3)15マス進めば1周するということは、不定方程式の右辺に、15の倍数を差し引きしても無問題ということになります。x,yをできるだけ小さくしたいので、右辺の絶対値ができる限り小さくなるように調整してあげるとよいでしょう。今回の場合ですと、右辺を8-15=-7に変更すればOKです。
(4) (3)でやった作業を右辺が10~14の場合全てで行うのですが、逐一不定方程式を何度も解く必要がありセンターレベルとしては厳しい難易度です(旧帝大の2次試験で出題されても違和感がありません)。コスパも悪いですし、本番では後回し、ないし捨て問にしてよいかと思います。
<筆者の回答>
[後半部訂正]
最後の問題に計算ミスがありましたので、訂正します。
第5問
平面図形の問題です。
ア~オ:角の2等分線の性質と三平方の定理を使って解きます。3,4,5というのは有名なピタゴラス数ですね。
カ、キ:色々解き方があると思います。問題文に「△AECに注目して」とあるので、最終的に三平方の定理に持ち込む方法を考えました。そのためにはCEの長さが必要なので、相似を使って計算します。
ク:図を描くと、Pが直線AD上にあることが分かるので、相似を使うことで計算できます。
ケ:△ABCのことを一旦忘れれば、大きな円Oに小さな円Pが内接している状況になるので、Oの直径がケだと分かります。
コ、サ:AP, PE, FP, PGの長さが全て調査済みなので方べきの定理が利用できます。
シ、ス:内接円の半径は、三角形の周長と面積を使って求めることができます。APの式を再利用すればAQも求まります。
セ、ソ:出題の順番をケの直後にすれば混乱しなかったと思いますね。三平方の定理を使います。
タ:これは演習を積んでいないと発想が出てこず厳しいと思います。同一円周上にある条件はいくつかありますが、今回は「方べきの定理の逆」を考えるのが正解です。
<筆者の回答>