このシリーズでは、平成の京大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
15回目の今回は1992年になります。
第1問
関数方程式の問題です。
(1) F+G=aや、F(0)=G(1)=0などを使って、F( G(x) )の左辺にG(x)の塊を作ってp,q,を決定していきます。
(2) (1)の結果が2次関数なので、軸の位置に注意して場合分けして検討します。最後に求めるのがF(x)ではなくf(x)なので、最後に微分することを忘れずに。
<筆者の解答>
第2問
最短経路を数える問題です。
(1)辺BCを含んだ正方形(正方形ABCDと正方形BCRQ)を並べた長方形で、最短経路を数えればOKです。
(2)辺BCと同じような辺がBC含めて6つ存在しているので、(1)の結果を基本的には6倍してあげればよいのですが、そこにはダブりが含まれているのでそれを取り除く必要があります。
(1)の場合だと、BC以外にも辺CDと辺BQも通過する最短経路が、それに相当します。
<筆者の解答>
第3問
放物線に接する円に関する問題です。
(1)円の式の求め方には色々ありますが、ここでは、Pにおける放物線の接線が同時に円の接線になっているので、円の中心が必ずPにおける放物線の法線上にある、という性質を使って解いています。
いずれにせよ、R,rをtの式で表してR/rの増減を調べる作業が主になります。
(2) (1)でR/rがtの式で求まっていれば容易いでしょう。
<筆者の解答>
第4問
1次変換に関する問題です。
(1)p=(cosθ, sinθ), q=(sinθ, -cosθ)と文字でおいてOKなので、fを表す行列Aを文字でおいてTをごり押し計算します。
Rの位置ベクトルをr, Sの位置ベクトルとsとすると、Ar=r, As=s/2となるので、
(A-E)r=0, (A-E/2)s=0が成立します。r,sは0とは限らないので、これが成立するためにはA-E, A-E/2の両方の行列式が0でないといけません。
そこからAの条件が求まるので、それと(1)で求まったTの式を見比べましょう。
<筆者の解答>
第5問
確率の問題です。
n回目に引く玉の番号をan, n回目の操作の結果X=xn, Y=ynとなるとします。
xn-1, yn-1とznの大小関係を比較することで、xn, ynが何になるのかが決まるので、まずこれを手掛かりに考えていくといいでしょう。
(1)zn≦mがずっと続けばY≦mとなるので、そうなる確率を漸化式で求めることができます。
(2) xn<yn≦mとなる場合と、xn≦m<ynとなる場合に2分されるので、それぞれの確率を考えます。前者については(1)で検討済みなので、実質後者を考察して漸化式を作ります。
<筆者の解答>
第6問
四角錐と平面との交わりを考える問題です。
(1)1/aは簡単に求まるので、AB, AC, ADの各ベクトルを計算して長さ、内積などを検証すればよいでしょう。
(1)x=0と四角錐との交わりを考えます。x=0がOを通るのは明らかで、OA~ODの各辺の途中で交点を持つことはありません。
なので、正方形ABCDとx=0の交わりを考えます。
各辺との交点をベクトルの形でおいて、そのx座標が0になる条件で攻めていくことができます。
これで正方形がどう2分されるかが分かるので、その面積比がまんま体積比になります。
<筆者の解答>