ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

平成の一橋後期数学 -2007年-

このシリーズでは、平成の一橋数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

一橋の後期は文系向けにも関わらず数Ⅲが出題範囲に含まれています。なので、どうしても数Ⅲの知識が不可避な問題については「※数Ⅲ必須」とコメントを付けておきます。数Ⅲやってないよ、という文系志望の方は、このコメントのない問題を中心に見ておけばよいと思います。

 

11回目の今回は2007年になります。

 

第1問

f:id:stchopin:20220111131756p:plain

 

直角三角形の内接円を題材にした整数問題です。

 

(1)三角形の面積を2通りで表現してrを求めるという、典型問題です。

 

(2) (1)の式はルートが絡んだイヤらしい式になっています。なので、ルートを消すということを念頭に置いて2乗してみると、うまくいく形(整数の積の形)に出来ます。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220111162644p:plain

 

第2問

f:id:stchopin:20220111131816p:plain

 

特殊な漸化式で書かれた数列に関する問題です。

 

(1)1個目の漸化式に代入して、それをbmとおいて漸化式を解いてあげればOKです。

 

(2)実験をしてみると、「1から順に奇数が並んで、n=2^mのタイミングで1に戻る、を繰り返す」ことが分かるので、n=2^m + r のとき、an = 2r +1だと予想できます。

あとは、これを帰納法で証明していきましょう。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220111162717p:plain

 

第3問

f:id:stchopin:20220111131852p:plain

 

双曲線に絡んだ三角形の面積に関する問題です。

 

P(p, a/p), Q(q, -b/q)と文字でおいて、△POQの面積をa,b,p,qの式で表現して処理していきます。大枠としては相加相乗平均を使いますが、pとqが同符号か異符号かで場合分けが発生します。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220111162746p:plain

 

第4問

f:id:stchopin:20220111131911p:plain

 

空間内の2点の距離を考察する問題です。

 

(1) C上の点を(5cosθ, 5sinθ, 0)とパラメータ表示して、Pとの距離をθの式で表し最小化していきます。

 

(2) ここではl上の点も(1,t,4)とパラメータ表示して、同様に距離をθとtの式で表現して最小化していきます。その最小値が5になるようなtとθを調べていきます。

 

[訂正] 最小化のさせ方は、θを固定した上でtを動かして最小化→その最小値が5になるθを求める、とすべきだったのに、答案では逆になってしまってました。訂正版を追記します。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220111162818p:plain

f:id:stchopin:20220111162844p:plain

↓(2)の訂正版

 

第5問

f:id:stchopin:20220111131930p:plain

 

確率・期待値の問題です。

 

(1)Aがk^2点を取る確率は1/n^2なので、期待値は容易に計算できます。

 

(2)Bがl点を取るときaとbの差がlになるので、そうなる(a,b)の組み合わせを調べてあげましょう。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220111162917p:plain