このシリーズでは、平成の一橋数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
一橋の後期は文系向けにも関わらず数Ⅲが出題範囲に含まれています。なので、どうしても数Ⅲの知識が不可避な問題については「※数Ⅲ必須」とコメントを付けておきます。数Ⅲやってないよ、という文系志望の方は、このコメントのない問題を中心に見ておけばよいと思います。
11回目の今回は2007年になります。
第1問
直角三角形の内接円を題材にした整数問題です。
(1)三角形の面積を2通りで表現してrを求めるという、典型問題です。
(2) (1)の式はルートが絡んだイヤらしい式になっています。なので、ルートを消すということを念頭に置いて2乗してみると、うまくいく形(整数の積の形)に出来ます。
<筆者の解答>
第2問
特殊な漸化式で書かれた数列に関する問題です。
(1)1個目の漸化式に代入して、それをbmとおいて漸化式を解いてあげればOKです。
(2)実験をしてみると、「1から順に奇数が並んで、n=2^mのタイミングで1に戻る、を繰り返す」ことが分かるので、n=2^m + r のとき、an = 2r +1だと予想できます。
あとは、これを帰納法で証明していきましょう。
<筆者の解答>
第3問
双曲線に絡んだ三角形の面積に関する問題です。
P(p, a/p), Q(q, -b/q)と文字でおいて、△POQの面積をa,b,p,qの式で表現して処理していきます。大枠としては相加相乗平均を使いますが、pとqが同符号か異符号かで場合分けが発生します。
<筆者の解答>
第4問
空間内の2点の距離を考察する問題です。
(1) C上の点を(5cosθ, 5sinθ, 0)とパラメータ表示して、Pとの距離をθの式で表し最小化していきます。
(2) ここではl上の点も(1,t,4)とパラメータ表示して、同様に距離をθとtの式で表現して最小化していきます。その最小値が5になるようなtとθを調べていきます。
[訂正] 最小化のさせ方は、θを固定した上でtを動かして最小化→その最小値が5になるθを求める、とすべきだったのに、答案では逆になってしまってました。訂正版を追記します。
<筆者の解答>
↓(2)の訂正版
第5問
確率・期待値の問題です。
(1)Aがk^2点を取る確率は1/n^2なので、期待値は容易に計算できます。
(2)Bがl点を取るときaとbの差がlになるので、そうなる(a,b)の組み合わせを調べてあげましょう。
<筆者の解答>