「平成の~」シリーズで扱えなかった令和以降の一橋大学後期数学のセットを解きます。
一橋の後期は文系向けにも関わらず数Ⅲが出題範囲に含まれています。なので、どうしても数Ⅲの知識が不可避な問題については「※数Ⅲ必須」とコメントを付けておきます。数Ⅲやってないよ、という文系志望の方は、このコメントのない問題を中心に見ておけばよいと思います。
第1問 ※数Ⅲ強く推奨
方程式の実数解の個数を考える問題です。
数Ⅲを使わずに解く方法があるのかもしれませんが、思いつかなかったのでここでは数Ⅲを使った最もスタンダードな解法で解きました。
f(x)=(sinx+1) (cosx+1) のグラフとy=kの交点の個数が実数解の個数となるので、微分を使ってf(x)の増減を調べることに終始します。
[追記]
数Ⅲを使わない解法として、sinx+cosx=tと変換して解けばいいというコメントを頂きましたので、別解として解きました。
この場合、tとxの値の個数の対応に注意しないといけなくて、繊細な場合分けが要求されます。
<筆者の解答>
別解
第2問
直線と放物線で囲まれれる面積の計算問題です。
加法定理を使えばlの傾きが求まるので、あとはCとlの交点x座標を求めれば面積計算は容易です。
[訂正] 面積の計算で、係数の1/2をかけ忘れていました。最終結果は、答案の半分の値になります。
<筆者の解答>
第3問
不等式の成立条件を考える問題です。これはなかなかの難問です。
不等式の両辺を2乗して整理すると、k^2/ab +2k -(a-b)^2/4 >0が分かります。
kを固定して考えたとき、どんなa,bを突っ込んでも左辺が0以下になってしまう場合が、kの条件として不適な場合になります。
なので、左辺が一番「>0」になるのに有利になりやすい最大値を考えることになります。その最大値でさえ0以下ならアウト、最大値さえ0を超えればセーフです。
左辺をよく見ると、abが小さくa-bが小さいほど左辺は大きくなるので、a=2,b=1で考えてあげればよいでしょう。
このときの左辺はk^2/2 +2k -1/4 となり、この数が0より大きければ「問題文の不等式を満たすa,bとしてa=2, b=1が存在する」となり、条件クリアになります。
<筆者の解答>
第4問
確率の問題です。
まずは1~10の約数の個数をそれぞれ調べてが、記録される数字が「3の倍数」「3で割って1余る」「3で割って2余る」確率をそれぞれ計算できます。
これを使ってあげれば、数字の和Xが「3の倍数」「3で割って1余る」「3で割って2余る」の間をどう推移するかが分かるため、漸化式を立ててpnを求めることができます。
<筆者の解答>
第5問(a)
領域図示の問題です。
xの正負、yの正負で逐一場合分けして検討していきます。注意すべきは、自然数nはxよyありきで決まる値であり、1個でもあればOKだという点です。
<筆者の解答>
第5問(b) ※数Ⅲ必須
微分の等式問題です。
積分の中にx-tの形があるのがイヤなので、X=x-tと変数変換して計算を進めればよいでしょう。
<筆者の解答>