このシリーズでは、平成の北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
8回目の今回は2012年になります。
第1問
場合の数を求める問題です。
(1)Aのカードは3n枚からn枚、Bのカードは残った2n枚からn枚、と選べばよく、Cのカードは自動的に決まります。
(2)Aのカードは「n+1」の1枚と、1~nの中のn-1枚で構成すればよく、Bのカードは「2n-1」の1枚と、2n~3nの中のn-1枚で構成すればOKです。
<筆者の解答>
第2問
点の軌跡を考える問題です。
(1) 角度の条件は内積で処理するとよいでしょう。45°か135°なので内積は符号違いで2種類出てきて、2乗すればひとまとめに出来ます。
(2) (1)の式から2種類の円の式が得られます。
この答えは、(1)を経由せずとも円周角の定理を考えれば明らかな結果です。
(3) Pをパラメータ表示して代数的にPQを最小化する方法(本解答)と、図形的な解釈で解く別解を用意しました。代数的解法では、三角関数の合成を使います。図形的な解釈では、円の中心とQを結んだ線分上にPがあればPQは最小になると分かります。
<筆者の解答>
第3問
積分で書かれた関数の最小値を求める問題です。
(1)積分の中に絶対値が入っているので、それを外さないことには始まりません。
aの値によって1≦x≦eの中に絶対値の中身の符号が切り替わる瞬間があるかを慎重に検討して、場合分けしましょう。
(2) I(a)の両側は単調増加、単調減少なことが明らかなので、真ん中の増減だけ気にすればOKです。微分して検討しましょう。
<筆者の解答>
第4問
不等式評価の問題です。
(1)各辺の差を取って微分をする、典型問題です。
(2)a^(10^n)=1/2に自然対数をとって式変形すればよいです。
(3) (1)の結果を使って、(2)の左端と右端を評価します。
<筆者の解答>