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平成の北大理系後期数学 -2002年-

このシリーズでは、平成の北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

18回目の今回は2002年になります。

 

第1問

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特殊な数列に関する問題です。

 

(1)kの符号で場合分けして考えます。まず、k=0なら漸化式から常にan=1になります。

k<0の場合は、anはどんどん2倍されていき、いつかは1になって、以後はずっと1になります。k>0の場合は初手で逆数を取るので、k<0の状況に帰着されます。

 

(2) 実験をしてみると、mよりも後の項では同じ数が周期的に繰り返すことが分かります。mより前は言うまでもなく公比2の等比数列になります。

 

<筆者の解答>

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第2問

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関数の積分値に関する問題です。

 

f(x)=ax^2+bx+c, g(x)=px^2+qx+rと文字でおくと、問題文の条件から全ての文字をaの式で表現できます。

 

あとは式に代入して積分ガリガリ計算し、平方完成に持ち込みましょう。

 

<筆者の解答>

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第3問

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放物線と円が接する条件を考える問題です。

 

(1)図を描くと、a>0, b<0でないといけないことはすぐに分かります。その上で、放物線と円の式を連立した式が重解を持つ条件を整理してrをa,bの式で表現しましょう。

 

その上で、「rが存在する」ので、求まったa,bの式が0より大きくないといけません。

 

(2) (1)の結果をab平面に図示して、円a^2 + b^2 =R^2が(1)の領域と交点を持つようなRの条件を考えます。

 

<筆者の解答>

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第4問

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球面上の点に関する「なす角」を考える問題です。

 

問題文の条件から、A(r,0,0), B(0,r,0)と座標設定しても問題ないので、この下で考えると見通しがよくなります。C(a,b,c)、∠AOC=α, ∠BOC=βとおいて、問題文にある条件を全て数式にしておきましょう。

 

(1) OA⊥OCのときa=0がわかるので、そこから芋づる式に色々な値が分かっていきます。

 

(2)直線AB上の点Pは(r(1-p), rp, 0)とかけるので、PCの距離をpの式で表してpを動かしたときの最小値がdになります。

 

dが求まったら、これまでの情報全てを動員してdをαだけの式で表現しましょう。最終的には、t=cosα+√3sinαと変換して考えないと、最大値を考えるのが厳しいです。

 

全体的に計算量の膨大な難問と言えるでしょう。

 

<筆者の解答>

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