ちょぴん先生の数学部屋

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平成の九大理系後期数学 -1993年-

このシリーズでは、平成の九大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

27回目の今回は1993年になります。

 

第1問

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3次元の写像を考える問題です。

 

(1) Sの式をz=ax+byとおいてaとbを決定すればよいです。

 

(2) QがS上にあり、PQがSの法線ベクトルと平行なことを利用してQの座標をPの座標で求めます。

 

<筆者の解答>

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第2問

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放物線群を考える問題です。

 

(1) P(a,b)としたときに、Pを通るようなkは、存在しないか一意に決まるかであることを示せばよいです。

 

(2) Ckの頂点の座標をkの式で表現してkを消去すれば軌跡が求まり、さらにkの範囲からx座標の取りうる値をチェックします。

 

<筆者の解答>

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第3問

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反比例のグラフと絡んだ正三角形に関する問題です。

 

(1)左からn番目のy=1/x上にある頂点をPn(bn, 1/bn)として、bn, an, Snの関係を考えていけばよいでしょう。

 

(2) (1)の結果を使って、Sn=a√nを帰納法で示すとよいでしょう。その際、an=Sn - Sn-1 が使えます。

 

(3) (2)の結果を使うとan=a(√n - √n-1 )が求まるので、これを利用します。分子の有理化を使ってもよいですし、(1)の関係式を利用してもよいです。

 

<筆者の解答>

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第4問

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微分方程式に関する問題です。

 

(1)x=0を代入すると積分区間の両端が一致するので、f(0)=0はすぐに分かります。f'(x)を求める際は、sinを展開してtと関係ない係数を積分の外に出すと見通しがよくなります。

 

(2) f''(x)を計算するとうまい事積分が丸ごとf(x)に置き換わってくれます。

 

(3) (2)の結果を使ってf(x)を求めればよいでしょう。2回積分するので積分定数が2種類出てきます。それらを(1)の結果を利用して確定させましょう。

 

<筆者の解答>

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