ちょぴん先生の数学部屋

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2022年度 京大理系数学 解いてみました。

2022年も大学入試のシーズンがやってきました。

今回は、京都大学の理系数学に挑戦します。

 

 

<概略> (カッコ内は解くのにかかった時間)

1. 対数の評価 (10分)

2. 確率 (15分)

3. 3つの自然数の最大公約数 (15分)

4. ベクトルの処理 (15分)

5. 面積の評価 (20分)

6. 数列の漸化式 (45分)

計120分

<体感難易度>

1<4<2<5<3<6

 

簡単だった昨年と比べてもさらに簡単になりました。どうしちゃったんだ、京大。。

第6問が一つ抜けてる感はありますが、後の問題は特に突っかかることもなく解けました。

 

<個別解説>

第1問

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対数の評価に関する問題です。

 

底を2に直して検討するとよいでしょう、9.8<log(2)1011の評価でヒントの近似値を使います。

 

<筆者の回答>

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第2問

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確率の問題です。

 

Y-X≧2かつZ-X≧2だと可能性が広すぎるので、余事象を考えるとよいでしょう。つまり「Y-X=1またはZ-Y=1」となる確率を考えます。重複がない様に場合分けして確率計算すればよいでしょう。

 

確率計算の際、差を一旦固定して総和を取ると見通しがよいでしょう。

 

<筆者の回答>

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第3問

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3つの自然数の最大公約数を求める問題です。

 

ユークリッドの互除法をつかうと、n^2 +2 とn^4 +2の最大公約数は6の約数になることが分かります。ということでAnの候補は6の約数です。

 

あとは、nを6で割った余りで分類して、前者二つの最大公約数を確定させ、そのときにn^6 +2がその最大公約数で割り切れるかをチェックします。

 

<筆者の回答>

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第4問

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四面体を題材にしたベクトルの処理の問題です。

 

(1) OP=(1-p)OB+pOCとおいて、PGをOA, OB, OCで表現して考えるとよいでしょう。OA, OB, OCの内積の情報は、余弦定理を使うとゲットできます。

 

(2) (1)の設定をそのまま流用してPGをpの2次関数で表現すればよいでしょう。

 

<筆者の回答>

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第5問

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面積評価の問題です。

 

(1) 実質(cosx)^3を積分する問題です。X=sinxと変換すると楽に行きます。

 

(2) f(t)=t(cost)^3となるので、微分して増減を調べます。結果的にy=1/(3t)とy=tantのグラフの交点を考える問題に帰着します。

 

(3) (1),(2)を使うと、9sinα-8(cosα)^4>0を証明する問題に化けます。この左辺は単調増加の関数でx=π/6で0になるので、結局π/6がαよりも大きいのか小さいのかを判定することで決着します。

 

<筆者の回答>

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第6問

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数列の漸化式の問題です。ここまで比較的易しめの問題が続いたので、最後の最後でようやく骨のある問題が来ました。

 

xnの漸化式を見ると、剥き出しのxnとcosの中に入ってるxnが混在してるので、このまま一般項を求めることは現実的ではありません。

 

ここはnに具体的に値を代入して実験してみるに限ります。するとxn-ynの規則性が予測できるので、それを帰納法で証明していく流れになります。

 

<筆者の回答>

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