「平成の~」シリーズで扱えなかった令和以降の東北大学後期数学のセットを解きます。
第1問
1次不定方程式の問題です。
(1) (2) 左辺が6で括れるので、少なくともmは6の倍数でないといけません。逆にmが6の倍数であれば、必ず解を見つけることができます。この証明については、m=6Mとすると(*)は8K+3l=Mとなるので、Mを3で割った余りで場合分けして解を探すとよいと思います。
(3) (2)までの検討から特殊解はすぐに分かるので、その情報を使って一般解を求め、kとlの両方が正になるものを列挙します。
<筆者の回答>
第2問
円錐の体積に関する問題です。
(1) 円錐の高さOPと、底面半径BPを求めることに終始します。OA⊥BPを使ってベクトルの内積で処理していくとよいでしょう。
(2) Vはx+y+zの絶対値付きの3次関数なので、微分して最大値を求めます。
<筆者の回答>
第3問
2つの円が接する条件を処理する問題です。
(1) 中心間距離を三平方の定理でひたすら計算していくのみです。
(2) 2つの円が接するという状況は、「外側で接する」「内側で接する」の2通りがあるので、Lの値は3+1=4か3-1=2の2通りがあります。それに伴って(1)で求めたtの方程式が2本できるので、この2本の方程式のどっちかを満たすtが何個あるかを考えます。
ここで、tとθの対応関係に注意が必要で、t<1なら対応するθは0個、t=1ならθは1個、t>1ならθは2個存在します。
この検討を2本の方程式それぞれで考える必要があるので、かなり骨が折れます。
<筆者の回答>
第4問
円と放物線の交点、回転体の体積を求める問題です。
(1) Cと円の式を連立するのですが、xを消してyの2次方程式にした方が見通しが良いと思います。このとき、このyの2次方程式の解が2つとも-1<y<1になっていれば、交点が4つになります。
(2) 最初に体積をα, βの式で計算しておき、解と係数の関係を使ってbの式に書き換えていく方針でよいでしょう。
<筆者の回答>
第5問
極限の計算問題です。
(1)おなじみ「調和級数」です。y=1/xのグラフを使って面積の大小比較でよいでしょう。
(2) anはnの式で綺麗に書けるので、(1)の不等式を使ってはさみうちに持ち込めばよいです。ちなみに、この形の極限は「チェザロ平均」と呼ばれており、an自身の極限値と一般的に一致することが知られています。
(3) bnそのものを直接計算できるので、(2)の結果も使って極限計算できます。
<筆者の回答>
第6問
平面の法線ベクトルと、4つの面に接する球面を求める問題です。
(1)αの方程式を調べることに終始します。この方程式のxの係数、yの係数、zの係数を順番に並べたものがαの法線ベクトルになるので、長さが1になるように倍率を調整すればよいでしょう。向きが2種類あることを忘れずに。
(2)球面が各座標平面に接しているので、a=r, b=r, c=±rに絞られます。あとは、αと接するようにrを決定していきます。
<筆者の回答>