ちょぴん先生の数学部屋

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平成の京大文系後期数学 -1992年-

このシリーズでは、平成の京大文系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

原則、文系ユニークの問題のみ解きますので、理系との共通問題については理系の記事をご覧ください。

理系の記事はこちら↓

平成の京大理系後期数学 -1992年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

15回目の今回は1992年になります。

 

第1問

 

整数問題です。

 

(1) x=2X-1, y=2Y-1として、kをX,Yの式で求めると、実質4×「連続する2整数の積」になります。

 

(2) (1)の結果は、「kが8の倍数」が、与式が奇数解をもつ「必要条件」だということです。つまり、「kが8の倍数」だからといって奇数解を持つとは限らないので、十分条件を調べる必要があります。

 

kに具体的な値を入れて奇数解の有無をチェックすると、どうもどんなkについても奇数解がありそうだと分かります。

 

実際、k=8Mとおくと、x=2M+1,y=2M-1という奇数解を構成できるので、 「kが8の倍数」が奇数解をもつ「十分条件」でもあることが分かったので、「必要十分条件」となります。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

理系第1問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第3問

 

理系第2問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第4問

 

理系第3問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第5問

 

場合の数と確率の問題です。一見独立した小問に見えますが、実は(1)が(2)を解く誘導になっています。

 

(1) 末尾が00, 11, 10, 01の4種類なので、それぞれについて0や1を追加することで漸化式を作ることができます。

 

(2) k回目に表が出ればxk=1, 裏が出ればxk=0、と対応させれば(1)の知見が生かせることが分かります。n回目で終わるなら、xn-2=xn-1が成り立っていて、尚かつxn=xn-1となればよいわけなので、そのような表裏の出方はan-1通りです。そこから確率pnを計算できます。

 

あとは、(1)で求めた漸化式からa6の値を調べてしまえばお終いです。

 

ちなみに(1)の漸化式はいわゆる「フィボナッチ数列」であり、一般項を求めると√5が登場する複雑な形になることが知られています。そういう背景があるが故に、pnという一般項そのものではなく、p7という具体的な値を計算させているのだと思います。

 

<筆者の解答>