このシリーズでは、平成の東京工業大学の後期日程の数学の問題を解いていきます。
9回目の今回は2003年です。
第1問
三角形の座標平面への射影に関する問題です。
(1) P(a,b,c), Q(p,q,r)として、まずはSをa~c, p~rの式で求めてみましょう。
こう座標を置くとP'(a,b,0), Q'(p,q,0)と書けるのでS1も求まり、同様にS2, S3も求まります。あとは、S^2 -S1^2-S2^2-S3^2を直接計算して0になることを確かめればよいです。
(2) (1)の結果は、S1S2S3空間内の「原点中心の半径Sの球面」と解釈でき、k=S1+S2+S3は同空間内の平面と解釈できます。よって、この球と平面が交わりを持つようなkの条件を考えてあげればよいです。S1≧0, S2≧0, S3≧0に注意です。
<筆者の解答>
第2問
直線上の格子点の個数に関する問題です。
(1) 2x+3y=m上にある、非負整数の格子点の1つを(a,b)とすると、2(a+3)+3b=m+6となるので、2x+3y=m+6上にある非負整数の格子点として(a+3, b)が1対1対応で見つかります。よって、a+3≧3なので、x座標が3以上になるような格子点はN(m)個あることになります。
あとは、x座標が0以上2以下になるような格子点がいくつあるかを、mを3で割った余りで分類して調べればよいです。
(2) x座標がkとなる格子点のy座標はy=(m-2k)/3となるので、このyが整数となるようなkの個数がN(m)となります。問題文の式と(1)の結果からmを6で割った余りで分類して調べればよさそうです。まずは、こういう手順でN(m)をmの式で求めます。
あとは、問題文の式が上記と一致することを確かめればOKです。
<筆者の解答>