ちょぴん先生の数学部屋

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平成の東工大後期数学 -1999年-

このシリーズでは、平成の東京工業大学の後期日程の数学の問題を解いていきます。

 

13回目の今回は1999年です。

 

第1問

 

極限の計算問題です。

 

積分三角関数÷多項式の形になっていて直接解くことができません。なので、はさみうちの適用を考えていくしかありません。

 

とりあえず、分子のsinの2乗を解消すると1-cos2nπに分解できます。前半の1の方は直接積分値が計算でき、後半の方が積分がうまく計算できない形になります。ここで、この後半の部分が0に収束してくれると嬉しいので、そう決め打って絶対値を評価していきます。

 

評価の仕方は、「積分してから絶対値≦絶対値を取ってから積分」「分母の1+xを不等式評価で定数に変え解消する」の2段階を踏みます。

 

上記の方法でcos2nπ/(1+x)の積分をそのまま評価すると、残念ながら0に収束しない定数になってしまいます。なので、ひと工夫が必要です。

 

収束しない原因は分母のnが足りないことで、cos2nπ/(1+x)を一度部分積分することで1/nを発生させることができます。なので、部分積分してから上記の流れを取ると、無事0に収束する関数で抑えることができます。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

規則性に基づいた円の周長と面積の総和を考える問題です。

 

(1) まずは、図1の状態の円の半径を求めてみます。座標設定すると、中心がx軸上にある円が、直線y=xtan30°に接することが分かるので、この条件から半径が求まります。

 

こうなると、相似の関係を使うことでn回目の操作を行ったときの円の半径rnの漸化式が求まり、rnの一般項が求まります。

 

rnは等比数列なので、それを使うことでS2, C2が求まることになります。

 

(2) (1)と方針は全く一緒です。上記の議論の30°の部分をπ/3nに置き換えるだけです。

 

(3) sinx/x→1 (x→0)を利用して極限計算をします。

 

<筆者の解答>