このシリーズでは、平成の東京工業大学の後期日程の数学の問題を解いていきます。
19回目の今回は1993年です。
第1問
立方体を回転させたときの体積を計算する問題です。
対角線に垂直な平面で立方体を切った断面を、対角線を軸に回転すれば考える立体の断面が求まるので、その面積を対角線に沿って積分する。
というのが全体の流れになります。対角線の両端を(0,0,0), (1,1,1)となるように座標設定すると見通しが良くなります。
問題は対角線のパラメータtをどう設定するかです。積分するときにtをdだけ動かしたときに、実際に対応する点がdだけ動くようにしておかないと、体積の値がずれてしまうことになります。
<筆者の解答>
第2問
行列を絡めた整数問題です。
(1) 帰納法でも導出可能ですが若干規則性が分かりにくいです。なので、答案では、2項定理を使って解いています。A=2I+B (I:単位行列)と分解出来て、Bは2回以上かけるとOになってしまう行列です。なおかつ、BI=IBとなっているので、実数と同じように2項定理が使えるというわけです。
(2) an, bn, cn, dnを3で割った余りを合同式で調べていけばよいです。bnについてはnを6で割った余りで場合分けして検討する必要がありますが。
<筆者の解答>