このシリーズでは、平成の東京工業大学の後期日程の数学の問題を解いていきます。
20回目の今回は1992年です。
第1問
積分を使った関数を最小化する問題です。
積分の中に絶対値が入っているので、xの値で場合分けして絶対値を外してF(x)を計算するのが第一です。
そうするとF(x)は両端では単調なので、最小になる可能性があるのが真ん中の部分だけになります。そこでF(x)を微分してあげればOKです。
<筆者の解答>
第2問
点列の極限を計算する問題です。
規則性を数式に焼き直すと、「An-1AnベクトルはAn-2An-1ベクトルの長さをa倍して120°回転したもの」となるので、回転行列を使うことでAn-1Anベクトルの漸化式を作ることができ、解くことができます。
そして、A0A1+A1A2+・・・+An-1Anを計算することでAnの座標がシグマの形で求まることになります。
ここでAnのΣを直接計算するのはかなり骨が折れるので、シグマが付いた状態でいきなりn→∞の極限を考えたいです。
シグマの中身のベクトルが(等比数列)×cos, (等比数列)×sinという成分構成になっているので、複素数を使うとかなり見通しよく計算できます。
つまり、Σ(等比数列)×(cos+isin)の形にすれば、ド・モワブルの定理からシグマの中身を「複素数の等比数列」に一本化できるという形になります。
<筆者の解答>