ちょぴん先生の数学部屋

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平成の東大理系後期数学 -1991年-

このシリーズでは、東京大学の後期の数学の問題を解いていきます。

 

17回目の今回は1991年です。

 

第1問

 

a^bとb^aの2つの実数が等しくなる条件を考えていく問題です。

 

(1) 微分して増減を調べるだけの問題ですが、(2)以降を考えるヒントになっていきます。f(x)=logx/xとおきます。

 

(2) a^b=b^aを同値変形すると、f(a)=f(b)となります。(1)のf(x)をグラフにしてあげると、y=f(x)と直線y=tとの交点x座標2つがaとbになります。f(x)はx=eのときに極大となるので、aとbのうち小さい方は1より大きくeより小さくなります。今回a,bは自然数なので、この時点で、aとbの小さい方は2で確定します。

 

(3) 3^x=x^3が有理数解x=p/q (p,qは互いに素な自然数)を持つとしたときに、実はp=3, q=1しかありえないことを証明していきます。分母を払って変形していくと、pは3の倍数で確定するので、それをヒントにqの値を求めていきます。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

3つの円の配置に関する問題です。

 

(1)見通しが良くなるように、A,Bがy軸上に来るように設定してあげます。この条件からC1,C2の半径と中心座標の関係式を調べ、かつC3と直交するようにC3の中心(a,b)の条件を決めてあげます。直交条件は図に描くと、三平方の定理を使えば事足りると分かります。ゴールはa=0です。

 

(2) A,BとC3の中心との距離が、C3の半径よりも大きいか小さいかを判定してあげればOKです。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

半円の中の5角形の面積の取りうる値を調べる問題です。

 

(1) 何かパラメータを設定してそのパラメータとθを使ってSを表現し、θを固定して設定したパラメータを動かすことでSの取りうる値を調べます。

 

今回は、∠QAB=αをパラメータに設定するとうまくいきます。このときαの範囲に注意しましょう(θ以外の△PABの内角が両方90°未満じゃないといけないです)。また、円周角の定理からθは90°<θ<180°となることにも注意します。

 

このαとθを使って△PAB, △APR, △BPRの面積を表現してあげればいいです。△PABについては正弦定理を経由するとよいでしょう。

 

最後のSの取りうる値を調べるときは、θの値による場合分けが発生します。

 

(2) (1)で求まったθを固定したときのSの上限と下限について、θを動かしたときの最大値・最小値を考えてあげればOKです。θによる微分をするのですが、少々面倒です。

 

<筆者の解答>