このシリーズでは、大阪大学の後期の数学の問題を解いていきます。
8回目の今回は2005年です。
第1問
回転体の体積を計算する問題です。
Sの形状を書いてあげると、C1, C2の交点がちょうどC2の頂点になってくれることが分かります。なので、Sの境界線は2つとも単調に変化するので、特に面倒なこともなく回転体の体積をスムーズに計算することができます。
<筆者の解答>
第2問
コインが出てくるので確率の問題、と思いきや、実質整数問題です。
前半に投げた回数をN、前半の表が出た割合をrとすると、問題文の状況は(rN+99)/(N+200)=0.5 と式にできます。
これをNについて解くとN=2/(2r-1)となるので、これを計算できれば良いことになります。rは小数第4位で四捨五入すると0.510になるので、rの取りうる値は0.5095≦r<0.5105となります。あとはこれを使ってNの範囲を絞り込んであげればよいでしょう。
Nが複数求まりますが、これ以上絞り込むすべもないので、これらが答えでよいと思います。
[追記]
コメントの方で「表の割合がちょうど0.5になるには、コインを投げた総数が偶数じゃないといけないのでは?」というご指摘をいただきました。確かにその通りです。コインを奇数回投げてしまうと、表が〇〇.5回ってことになっちゃいますからね。
ということで、答案でNを103,104,105の3つに絞りましたが、その中の偶数のもの、すなわちN=104だけが適する。ということになりますね。
<筆者の解答>
第3問
複素数平面に関する問題です。
zは問題文の条件からz=cosθ+isinθ (θ≦θ<2π)と書くことができるので、wの実部と虚部をθの式で求めることができます。
wが虚軸上に来るときwの実部=0となるので、そうなるθの個数こそがwの軌跡が虚軸と交わる回数になります。
<筆者の解答>
第4問
空間図形に関する点の軌跡を調べる問題です。
Pの座標は(0,1,0)+t(1,1,-2)=(t,t+1,-2t)とパラメータ表示できます。一方でQの座標は(2cosθ, 2sinθ, 0)と書くことができます。
ここでQはPとの距離が最短になるようにとるんでしたので、tを固定した状態でPQが最小になるようにθを決めてあげる必要があります。こうするとQの座標がtだけの式で書けます。
あとは、Qは円周上にあることが分かっているので、x,y座標の取りうる値の範囲を調べてあげればOKです。
<筆者の解答>
第5問
抽象的な関数に関するグラフの問題です。
(1) f(-1)とf(3)の値こそ分かりませんが、問題文の極値、遠方での極限値の情報から大まかにグラフを描くことはできます。正直「-1<x<3」という範囲指定は不要な気がしますね。「f(-1)とf(3)を調べなきゃ!」っていう余計な詮索を喚起しそうなので。
(2)F(x)は面積を表現していることに留意しましょう。このことから、大まかな大小関係や正負が判定できます。
F(x)を1回微分するとf(x)となるので、(1)のグラフからF(x)の増減がわかり、さらにf(x)の極値の情報からf'(1/4)=f'(1/2)=f'(3/4)=0が分かり、F(x)を2回微分するとf'(x)となるので、x=1/4,1/2,3/4がy=F(x)の変曲点だと分かります。
(3) (2)の中で既に調べています。
<筆者の解答>