このシリーズでは、大阪大学の後期の数学の問題を解いていきます。
14回目の今回は1999年です。
第1問
ガウス記号を含んだ数列に関する問題です。
(1) まずはamの振る舞いを調べてあげると、k^2≦m≦(k+1)^2 -1のときam=kとなります。この情報を使ってbkの一般項を求めることができます。
(2)帰納法で証明するとよいでしょう。
(3) Σbkは容易に計算できるので、(2)の式を使えばΣamが計算できることになります。
<筆者の解答>
第2問
三角形を2等分する条件と、回転体の体積に関する問題です。
(1)直線PQとy=cx^nの交点のx座標をαとすると、△OPQを2等分するという条件からαを調べることができて、αはnだけに依存する値となります。
このαを用いてV(A), V(B)を計算すると、V(A)=V(B)となるqがαとnの式で求まり、上でαがnの関数だと調べているのでqがnだけで一意に決まることが分かります。
(2) qの式がごちゃごちゃしているので、先にαのn→∞での極限値を調べてしまうとqの極限が調べやすくなります。
<筆者の解答>
第3問
2次式の最大値を調べる問題です。今回はx≧y, x≧y≧zという縛りがあるうえに、p,q,a,b,cの条件が少なすぎて抽象度が高いため、とんでもない難問になっています。
(1) 2通り解き方があるかと思います。
1つは、f=(2次式)のグラフとx≧yの領域が交点を持つようなfの条件を考える方法(線形計画法)。
もう1つは、2次式を一旦yの関数とみなして(xを固定する)最大化し、その後にxを動かしてさらに最大化していく、いわゆる「予選決勝法」。
の2つです。
前者の場合は、2次式が楕円の形になってしまうので、円の時のようにうまく視覚的に検討できません。なので、後者の「予選決勝法」で解くことにします。
このとき、いきなりxとb/2q ( 2次式をyの2次関数と見なしたときの軸の位置)の大小による場合分けが発生し、x≦b/2qとx≧b/2qとで2種類のxの2次関数が最大値となります。
こうなってしまうと、この2種類の2次関数の軸の位置関係によって合計6通りもの場合分けをしないといけないと分かります。
正直(1)を解き切るだけでも相当疲労困憊すると思います。
(2)こちらはもはや捨て問です。私自身最後まで解けていません。
(1)と同じようにx,zを固定してyを動かす予選決勝法を使って(1)に帰着させる、という流れなのですが、(1)の最大値を与えるx,zの値と、各場合分けのx,zの関係とで矛盾が生じるか否かの場合分けが発生してしまうので、もう手に負えないと判断し諦めた次第です。
如何せんa~cの自由度が高すぎるのに、x,y,zについては大小関係の縛りがあるというのが嫌らし過ぎますね。。。
<筆者の解答>