ちょぴん先生の数学部屋

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平成の阪大理系後期数学 -1994年-

このシリーズでは、大阪大学の後期の数学の問題を解いていきます。

 

17回目の今回は1994年です。

 

第1問(理学部)

 

数列に関する問題です。

 

(1)実際に実験してみると、奇数番目の項は有理数に、偶数番目の項は無理数になることが分かります。bmの一般項については数学的帰納法で証明すればよいでしょう。

 

(2) (1)での帰納法から、m≧p+1でもbmは同じ表式になり、amはその高々1/√2倍の値です。

 

すると、anはn→∞で正の値に収束してしまうので、Σanは発散してしまうことが分かります。

 

この手の極限の計算問題で、答えが発散するのは結構珍しい気がします。

 

<筆者の解答>

 

第1問(工学部)

 

理学部の問題と、(ハ)の式が違うだけで、解き方は全く一緒です。こっちの場合はΣanはちゃんと収束してくれます。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

2次曲線の回転に関する問題です。

回転した後の曲線をK'とします。

 

(1) K上の点(x,y)をθ回転した点を(X,Y)とすれば、回転行列を使って(X,Y)と(x,y)の関係式を求めることができるので、これをKの式に代入することで、K'の式がX,Yを使って書けます。

その時に、B=0となるようにθを調整しましょう。

 

(2) B=0のときにK'はどの2次曲線なのか容易に判別することができます。KとK'は開店しただけなので合同です。なので、K'が楕円になる条件を調べてあげればOKです。

 

(3) K'の式が(x/a)^2+(y/b)^2 =1のとき、原点から焦点までの距離は、√|a^2 -b^2|とかけるので、これを利用して距離をbの式で書きます。あとは、それを微分して増減を調べればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

微分方程式の問題です。

 

(1) (ハ)からf'(x)×g'(x)=-1が分かるので、これを利用してf(x)の微分方程式を作って解く流れになります。p=1の場合だけ例外扱いになることに注意です。

 

(2) (1)の結果からg(x)も調べて、C1,C2の交点を調べてあげれば、典型的な積分の計算問題に帰着できます。

 

<筆者の解答>