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令和の医科歯科大数学 -2021年-

このシリーズでは、東京医科歯科大学の数学の問題を解いていきます。

 

2回目の今回は2021年です。

第1問

 

四捨五入の絡んだ確率の問題です。全問通じて、(a1,a2,a3)の組み合わせの個数を調べる場合の数の問題という側面が色濃いです。

 

(1) 与式がa1+a2+a3=10と書き換えられるので、そうなるような組み合わせの個数を調べていきます。基本的には「ボール10個と仕切り2個を横一列に並べる方法」で調べられますが、(10,0,0), (0,10,0), (0,0,10)の3つを除外しないといけないことに注意です。

 

(2) c4=90なら85≦b1+b2+b3≦94となるので、これをaの式に直して組み合わせを探していきます。このとき、a1~a3が対称になるのでa1≦a2≦a3と大小関係を設定してあげると見通しが良くなります。

 

(3) a1~a3を四捨五入した値をd1~d3, a1+a2+a3を四捨五入した値をeとすると、与式がd1=10かつd1+d2+d3>eと書き換えられます。d1+d2+d3もeも取りうる値の範囲は飛び飛びで限られているので、eの値で場合分けするとよいでしょう。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

四角錐に内接する球、直方体の体積の最大値を考える問題です。

 

(1)断面の周長の条件からhの式が求まり、そこから自動的にaの取りうる値の範囲が求まります。

 

(2) Sをyz平面で切った断面が(1)の断面に内接する円になるので、その半径の増減を考えればよいです。

 

(3) 直方体の高さをHに固定すると、直方体の上面はPのz=Hでの断面に内接する長方形になります。この長方形がPの断面そのものと一致すれば底面積が最大となるので、直方体の体積も最大になります。

 

あとは、aを固定してHを動かし、aを動かす、という予選決勝法でよいでしょう。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

双曲線の接線に関する問題です。

 

(1) Cの式を微分して傾きを調べるという典型手法で事足ります。

 

(2) (1)の式をuについての方程式と見なしたとき、実数解が2つあるような(x,y)の条件を求めればOKです。方程式としてそのまま処理するのは難しいので、uの関数として増減を調べてあげると見通しが良いです。

 

(3) (2)で考えたuの方程式の2つの解をα, βとして、(α, f(α) )と(β, f(β) )を結ぶ直線の式を求めていきます。「面倒なルートを真っ先に消す」「なるべく相殺される部分が多くなるように引き算を維持する」など細かな小技を使って要領よく式変形しないと泥沼に入ってしまいます。

 

<筆者の解答>