このシリーズでは、東京医科歯科大学の数学の問題を解いていきます。
4回目の今回は2019年です。
第1問
確率の問題です。
1~4が出る事象をA, 5~6が出る現象をBとします。
bkを観察すると、ak+ak-1=1 のとき(つまりk-1回目とk回目で異なる事象が起こるとき)にbk=1, ak+ak-1=0か2 のとき(つまりk-1回目とk回目で同じ事象が起こるとき)bk=0となることが分かります。
(1)上記の考察から、k-1回目とk回目で同じ事象が起こる確率を考えればOKです。
(2)上記の考察からb2~bnが全て1になるのは、AとBが交互に出るときになります。AとBの発生確率が対称じゃないので、1回目にどっちが起こるかと、nの偶奇による場合分けが発生します。
(3)2進法が背景にある設問です。
まずSnの条件が分数になっているのが考えにくく気持ち悪いので、全部を16倍して左辺等辺を10,15と整数にしてあげます。
そうすると、Sn自身は
16Sn=8b2+4b3+2b4+b5+(分数)の形になり、b6以降の分数の部分はb6,b7・・が0,1のどっちであっても「0以上1未満」になるので、実質10≦8b2+4b3+2b4+b5≦14となる(b2,b3,b4,b5)の組み合わせを調べればよいことになります。
とさぞ簡単に解法を思いついたかのように書いていますが、上記に発想がまとまるまでにはかなりの試行錯誤が必要でした・・・
<筆者の解答>
第2問
三角関数の計算問題です。
正弦定理を使いつつ、a,b,cが等差数列である条件を整理すると、sinA+sinC=2sinBとなり、さらにA+B+C=πが成立しています。
(1)~(3)で共通してCがAの式で与えられるので、BをAの式で表現して等差数列の式に代入してcosAを求めていくという流れになります。
式変形するとsinAが混じりますが、これは三角形の内角については常に正なので、sinA=√1-(cosA)^2と常に変形できます。
(1)Aは鋭角なのでcosA>0になることに注意して、上記を使って解いていきます。
(2)sinの倍角だけで方程式ができます。sinの倍角は全部sinAで割り切れるのでそれを利用します。
(3)sinAとcosAの和を左辺に、sin2Aとcos2Aの和を右辺に寄せることができます。ここで詰まりそうですが、実はsinで合成してあげると綺麗に2倍の角度になってうまく進みます。
<筆者の解答>
第3問
曲線の交点と回転体の体積に関する問題です。
(1)C1, C2を連立して方程式を解いてあげればよいです。
(2)直接方程式を解いてもよし、C1の形状を調べて考えるもよしです。
(3)定石通りに積分計算すればよいですが、極値を挟んでいるのでうまく区間を分割する必要があります。
(4) V2の計算はV1のそれよりも容易く、(1)の結果からV1もaの式で書けます。但し、V1の式で絶対値が発生することに要注意です。
<筆者の解答>