このシリーズでは、東京医科歯科大学の数学の問題を解いていきます。
6回目の今回は2017年です。
第1問
整数問題で、はっきり言って捨て問です。本番では(2)まで解き切れれば上出来で、(3)(4)は解く必要がないと思います(難しいし全然時間が足りない)
(1)高々数字が1~4の4個しか登場しないので、瞬殺できるでしょう。(C1)が自明なので実質(C2)だけ考えればOKです。
(2)この小問だけでB5用紙3枚を消費しました。それぐらいの面倒な問題です。
(C2)から|7-b1|>|7-c1|>|7-a2|, |a2-b2|>|a2-c2|>|a2-a3|が分かりますが、具体的な数字が分かっている前者の不等式を手掛かりに攻めていきます。
これらの絶対値は1~6の並べ替えで、|7-b1|と|7-a2|の差が2以上じゃないといけません(c1が存在できなくなるから)。
この下で、|7-b1|、|7-c1|、|7-a2|の3つの数字を具体的に仮定してあげると、|a2-b2|、|a2-c2|、|a2-a3|の3つの数字が自動的に決まります。そうしたときに一切の矛盾が起きない組み合わせを虱潰しに探していく他ありません。
(3)(4)は解法も思いつかず気力を(2)で全て吸われてしまったため解けておりません。すみません。
(3)については、(C2)の条件から|1-b1|, |a2-b2|,・・・,|an-bn|のうちの最大値が3nとなり、a1以外は全部2以上なので、どうあがいてもai-bi=3nにはなりえません。なのでb1=3n+1で確定できます。しかし、それ以上何も進まず・・・という感じです。
<筆者の解答>
第2問
球に関する空間図形の問題です。
(1)これはサービス問題でしょう。σは中心が(0,0,1/2)、半径が1/2です。
(2)z軸とPを含む平面で断面を切ってしまえば、円周角の定理で事足ります。
(3) Q(X,Y,Z)としてまずはQの満たす条件を整理していき、次にPの座標をX,Y,Zの式で表現してあげます。あとはPの座標を(a,b,0)と文字でおいてあげて、上記のQの条件を全てa,bの式に書き換えていく、という流れでよいでしょう。
<筆者の解答>
第3問
複雑な積分の方程式を考える問題です。
積分が2回出てきて見た目が物騒なので、一旦F(x)=∫f(t)dt (積分区間は0からxまで)と原始関数を定義してあげると式が見やすくなります。
(1) x=0での値とx=1での値が重要ということなので、与式にx=0,1を代入する、与式をxで微分した式にx=0,1を代入する、でできる4つの式を使って求めていけばよさそうです。
(2)与式を2回xで微分すると、f(x)だけの微分方程式が出来上がるので、そこにg(x)の式を代入してあげればよいでしょう。するとg'(x)だけが生き残ってg(x)が消えてくれます。
(3) (2)の結果を積分することで、積分定数込みでg(x), f(x)が求まるので、あとは(1)の結果から積分定数を確定させましょう。
<筆者の解答>