このシリーズでは、東京医科歯科大学の数学の問題を解いていきます。
9回目の今回は2014年です。
第1問
場合の数の問題です。
(1)(2)
f(4)については、いきなりf(n)の一般式から考えた方が求めやすいです。
C12を「みたさない」のは、「1を1つも含まない」「1がある場合、それより右側に2が存在しない」ような列なので、f(n)を直接数えることができます。
一方、g(4)については、C123を「みたす」組が「4つの数字の中のどこかに(飛んでもいいので)1→2→3が存在している」組なので、余事象で考えた方が計算しやすいです。
(3) 既存の(x1,・・・,xn)にxn+1を新しく追加する状況を考えます。
この時、(x1,・・・,xn)に1→2があるかないかでxn+1がとれる値の個数が変わってくるので、そこから漸化式を立てることができます。
(4) (3)の漸化式を解けばよく、両辺を等比数列で割ると階差数列の形に帰着できます。
<筆者の解答>
第2問
四面体の断面積と体積を考える問題です。
(1)この時点でV(θ), S(θ)を求めてしまいましょう。
S(θ)については四面体の各辺とxy平面との交点の座標を調べてあげればよいです。
V(θ)については、一見すると計算方法が分かりませんが、各辺の長さを調べると4つの面全てが合同ないわゆる「等面四面体」だとわかります。等面四面体は直方体から切り出せる立体なので、その直方体から3隅の三角錐を除去する、という方法で体積が計算できます。
(2) S(θ)の式は非常にシンプルなので、微分するまでもなく最大値が分かります。
(3) V(θ)を直接θで微分してもよいですが、V(θ)はsinθの3次関数になるので、t=sinθと変換してtで微分したほうがより簡単になります。
<筆者の解答>
第3問
関数の増減と、不等式を証明する問題です。
(1)(2) f(x)が積分で書かれているので、f'(x)はuにaxを突っ込んだもの×aとなります。そこからさらにf''(x)を計算すると、f(x)は上凸の単調増加関数だと分かります。
さらにf(x)の積分を実際に計算することで、x→0、x→∞での極限の情報も分かります。
こうしてf(x)のグラフを書けば、(2)は視覚的にすぐに分かります。
(3) 中辺ー左辺、右辺ー中辺をpで微分するというのが基本方針です。後者については対数を取ってから差の微分を取るとスッキリします。
(1)での検討からb=1/f'(1)となることに気付けると、より見通しよく進みます。
<筆者の解答>