ちょぴん先生の数学部屋

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平成の医科歯科大数学 -1996年-

このシリーズでは、東京医科歯科大学の数学の問題を解いていきます。

 

27回目の今回は1996年です。

第1問

虚数の係数を含んだ2次方程式が実数解を持つ条件を考える問題です。

 

(1)方程式が実数解x=aを持つとして代入し、実部=0, 虚部=0を処理すればよいでしょう。

 

(2)同様にして実部=0, 虚部=0を処理すると、pがqの式で書けます。qの範囲に注意してp^2+q^2の増減を微分で調べていきます。

ただ、実際に最小値を計算するのがかなり面倒です。力ずくでできなくはないですが、次数下げを駆使していかないと相当厳しいと思います。

 

<筆者の解答>

 

第2問

1次変換に関する問題です。

 

まずは、楕円x^2+4y^2=1をfで移しても元の楕円に戻る、という条件からfを表す行列の形をある程度決めていってしましょう。

 

楕円上の点は(cosθ,1/2sinθ)とパラメータ表示できるので、fでこの点を移した点も元の楕円上に常に乗っているという条件から、θの恒等式を考えてあげます。θ=0,π/4,π/2などの特別な値を代入して処理していけばよいでしょう。

そうしていくと、fを表す行列の形が2種類現れることになります。

 

(1)(2)それぞれの条件に応じて、2種類の行列で場合分けして検討していきましょう。

 

<筆者の解答>

 

第3問

指数関数を含んだ関数に関する問題です。

t=2^xとすると、f(x)がtの2次式( g(t)とします)に変換できることがポイントです。

 

そうすると、問題文の条件は「2≦t≦5/2の範囲で0≦g(t)≦1となっている」と言い換えられます。

 

(1) g(t)の軸の位置で場合分けして、それぞれについて2≦t≦5/2でのg(t)の値域を求めていきます。それが「0以上1以下」に含まれていればよいわけです。

 

(2) f(x)=0が実数解を持つということは、g(t)=0が「正の」実数解を持つということになります。そうなる条件を求めて(1)に追加してあげると、今回考える(p,q)の存在範囲が分かります。

 

一方でk=p-2qとするとこの式は直線を表すので、上の領域とこの直線が交点を持つkの条件を求める、という「線形計画法」の問題に帰着します。

 

<筆者の解答>