このシリーズでは、山梨大学医学部後期の数学の問題を解いていきます。
6回目の今回は2017年です。
第1問(1)
対数に関する問題です。
aとbをそれぞれlog2, log3の式に直して、逆に解いてあげればよいでしょう。
<筆者の解答>
第1問(2)
確率の問題です。正六面体という表現が見慣れないですが、要するに立方体の事です。
立方体の対角線に垂直な平面で断面を切れば正三角形ができ、各正方形の面から4通り直角2等辺三角形が作れます。
<筆者の解答>
[訂正] (ウ)について、(B,D,G), (A,C,F),(B,D,E),(A,C,H)の4つの場合を数え漏らしていたので、8/56=1/7が正解ですね。失礼しました。
第1問(3)
三角関数の計算問題です。
オは単にtanの加法定理を使えばよく、カは角度がオの半分になっているので、オの結果を利用してtanの2倍角を利用して計算します。
tanθ=√2のとき、π/4<θ<π/35π/4<θ<4π/3となっているので、カの角度が鋭角鈍角になっていることに注意しましょう。
[訂正]
π<θ<2πの条件があるので、③を満たすθはπだけ余計に回転したものになり、結果αはマイナス(鈍角)になります。よって、④では「マイナス」を採用するべきでした。
結果、カは√3の係数をマイナスに変えたものが正解です。
<筆者の解答>
第2問(1)
2等辺三角形を題材にした図形問題です。
AB=AC=xとおいて、BDをxの式で求めに行きます。
∠BAC=θとおいて余弦定理を利用しつつ、角の2等分線の性質を使っていきます。
あとは、BDの増減を微分で検討すればよいでしょう。
<筆者の解答>
第2問(2)
2項係数の和を求める問題です。
2項係数の右側の数字が奇数だけになっていて、上は+だけ、下は+と-が交互に並んでいます。
言うまでもなく、(1+x)^2017の2項定理を利用していくのですが、xに何を代入するかがポイントです。
すぐに思いつくのはx=1,-1を代入した場合で、この場合に偶数の和と奇数の和を分離出来てケが求まります。
さらにここから奇数の中で符号が交互になるようにする(コを求める)には、x=i, -iを代入すればよさそうですね。これに気付けるかがポイントでした。
<筆者の解答>
第3問
確率の問題です。
最後にk枚残る確率qkを調べて、それらをk=1,2,3,4で合計するとpnが求まります。
(k=1の時点で残っている1枚じゃない色のカードは取り切っているので、kの最小値は0ではなく1です)
このような「戻さずに」取り続けるタイプは、「一度に複数枚取り出す」と解釈すると考えやすいです。
例えば、カードを取り続けた結果、白がk枚、赤が1枚場に残ったとすると、その直前は「2n枚のカードから白n-k枚と赤n-1枚の計2n-(k+1)枚を一度に取り出す」と解釈すればよいわけです。
白がk枚、赤が1枚場に残った状態から赤1枚を取り出せば、赤を全て取り出せたことになります。白と赤の役割を入れ替えても全く同じ話になるので、この確率を2倍すればqkになります。
pnが求まってしまえば、pnをnで微分した増減を考えてあげれば後半の不等式が示せます。(今回は前後で比をとっても約分がほとんどできず複雑になるだけなので、この解法は非推奨です)
<筆者の解答>
第4問
円錐面と平面の交線の性質を調べる問題です。
まずはSとαをx,y,zの式で表現していきましょう。するとS上の点が三角関数を使ってパラメータ表示できるので、それがα上にもあるように調整すると、Pの座標がパラメータ表示できることになります。
このとき、Sの母線とαが平行になることに注意します。
このPのパラメータ表示を使ってQの座標を調べて、PQとPFを計算していきます。
この問題で示した事実は、Sとαの交線が、Fを焦点、lを準線とする放物線になるという事です。(Fというネーミング自体が伏線でした。Fは焦点Focusの頭文字です)
このように円錐面を平面で切ると、放物線、楕円、双曲線のいずれか(要するに2次曲線)になることが知られています。
<筆者の解答>
第5問
関数の極限と積分を計算する問題です。
anについては、sinx/x→1(x→0)を利用すれば容易に計算できます。このようにanを定義してあげると、fn(x)は0≦x≦π/2で連続な関数になります。
積分の方ですが、I1, I2についてはsinの倍角公式から分母のsinxが消えてcosだけの関数になります。cosの2乗は積分と相性が悪いので、できる限り2乗を解消していくのがコツです。
Inについては、In+1を計算することで漸化式を作ることを考えるとよいでしょう。計算は煩雑ですが、結局In+1=Inとなって、Inはnによらない一定値になることが分かります(I1, I2を計算した時点で、Inは一定なんじゃないかと予測できた人は結構鋭いです)
<筆者の解答>
第6問
√pが無理数になることの証明は、教科書にも載っている超有名なものですので説明不要でしょう。
後半の√p+q^(1/3)が無理数であることの証明は、√p+q^(1/3)が有理数だと仮定してq=の形にしてあげるとよいです。そのときに先に証明していた「√pは無理数」が生きてきます。
<筆者の解答>