ちょぴん先生の数学部屋

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21世紀の慈恵医大数学 -2005年-

このシリーズでは、東京慈恵会医科大学の数学の問題を解いていきます。

 

18回目の今回は2005年です。

(問題文を提供して下さったせがわさん、ありがとうございます。)

第1問

小問集合です。

 

(1)方程式の解に関する問題です。

x=cosθ+isinθを方程式に代入すると、実部と虚部がそれぞれ0になる、という2つの関係式が得られます。因数分解を使って解きやすい「虚部=0」の方から解いて、その回の中から「実部=0」を満たすものを選べばOKです。

 

ただ、問題文が若干矛盾していて、「虚数解」と言うからには実数になってしまうθ=0,πはθの範囲から除かれるべきでしょう。なのに「0≦θ≦π」と等号付きでθの範囲が指定されてるので困惑してしまいます。

 

そして、今回求める解にはθ=0,πも含まれてしまうので、この2つを認めると解が合計5つとなってしまいます(問題文の空欄は3つしかない)。その意味でも「0≦θ≦π」は誤りで、「0<θ<π」と書かれているべきだと思います。

 

(2)確率の問題です。

X=kとなる3枚の引き方の場合の数を調べれば確率が計算でき、期待値は定義通りに計算していけばよいです。

 

(3)場合分けして方程式を解く問題です。

minの中の2つの数の大小関係で場合分けして処理していきますが、出てきた解が場合分けに使った不等式をちゃんと満たすかの吟味が必要になります。

 

<筆者の解答>

 

第2問

平面ベクトルを使った図形問題です。

 

(A)もしy≠vだとすると、bがaの定数倍で書けて「bとaは平行」という矛盾した結果が出てきてしまいます。この(A)の事実を前提にして(B)を解いていきます。

 

(B)

(1)Pが直線AB上にある条件と直線A'B'上にある条件を連立していきます。Q,Rについても同様です。

 

(2)PQベクトルがPRベクトルと平行なことが言えればOKです。

 

<筆者の解答>

 

第3問

微分に関する問題です。

 

(1)単なる計算問題です。

 

(2)見た目通り、数学的帰納法を使って証明します。

 

(3) (2)の結果からan, bnの漸化式は自然と求まっているので、あとはそれを解いていきます。bnについては、両辺を(n+1)!で割ると階差数列の形に持ち込めることに気付ければよかったと思います(問題文の記述もヒントになっていますね)。

 

<筆者の解答>