このシリーズでは、日本医科大学の数学の問題を解いていきます。
9回目の今回は2014年です。
(問題文を提供して下さったせがわさん、ありがとうございます。)
第1問(1)
確率の問題です。
(1)(2)については教科書レベルの基本問題であり、(3)はこれらの結果を使って不等式を解いていきます。nが整数だけで高々0~9だけなので、普通に不等式が成り立つか否かを具体的に調べた方が速いと思います。
<筆者の解答>
第1問(2)
四面体に関する問題です。
(1)(2)
(1)では余弦定理を利用、(2)では内積を使えばよいですね。
(3)
ここまでの結果を利用するとうまくxyz座標を組むことができて(Bが原点、△ABCがxy平面)、あとはOのz座標が分かれば体積を計算できます。
<筆者の解答>
第1問(3)
2次方程式の解に関する問題です。
解と係数の関係からsinθ+cosθ、sinθcosθがそれぞれaの式で表現でき、(sinθ)^2+(cosθ)^2=1を満たさないといけないので、そこからaが求まります。
あとは、各aについてθを調べていく形になりますが、sinθcosθの式の方からθの候補を調べ、それがsinθ+cosθの式を満たしてるかどうかを確かめるのがよいですね(前者の方が2倍角で一まとめにできて処理が楽なので)。
<筆者の解答>
第2問
不等式証明の問題です。
(1)左辺ー右辺を微分することで増減をチェックすればよいでしょう。
(2) (1)の結果でx=a,b,cを代入して、各々の不等式をα倍、β倍、γ倍して足すとうまくいきます。
(3)積を評価しているので、logの足し算をすればよさそうです。
(2)の結果を足し上げればよいですね。
<筆者の解答>
第3問
(1)部分積分を駆使して計算していきます。xの累乗からxを1個分指数関数に渡すことでうまくいきます。
ただ、2番目のものについては計算がややこしくなるので、漸化式を立てて計算すると見通しが良いです。
(2) 第2項が積分を計算した後の形になっているので、中身の微分の形を考えることで、第1項と積分の形でドッキングすることができます。
すると、積分の中身が綺麗に2乗の形になります。
(3)当然(2)の不等式を利用するのですが、すぐに思いつくa=0, b=2はともかく、f(x)を何にすればよいか?
最終的に積分の中にe^(-x^2)を出現させたいので、そのルートにあたるe^(-x^2/2)をf(x)としてみるとどうでしょう?
すると、f'やf''の分を計算することで係数にx^2やx^4が登場するので、(1)の結果も利用でき、最終的にこれでうまくいきます。
今回評価したIの中身の関数は「ガウス関数」と呼ばれるもので、統計学などに頻出する重要な関数です。ガウス関数の不定積分は計算できないので、定積分の値は近似値として計算します。ちなみに、積分区間の上端を2ではなく∞とすると、I=√π/2となることが知られています。
ガウス積分 ~統計学で最も重要な積分~ - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)
<筆者の解答>