ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

21世紀の日医大数学 -2005年-

このシリーズでは、日本医科大学の数学の問題を解いていきます。

 

18回目の今回は2005年です。

(問題文を提供して下さったせがわさん、ありがとうございます。)

第1問

漸化式の問題で、教科書レベルの簡単な問題です。

 

a1を残したまま漸化式を解いて、n=10を代入することでa1を求めればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

 

第2問

複素数の方程式を解く問題で、これまた簡単です。

 

z=r(cosθ+isinθ)とおいて方程式の右辺も極形式に直してrとθをそれぞれ求めていけばよいです。ただし、θに関しては右辺の偏角が2πの整数倍だけずれてもいいので4つ値が出てくることに注意です。

 

<筆者の解答>

 

第3問

相反方程式に関する問題です。

(1)や(5)で扱うような、係数が対称的になった方程式を相反方程式と呼び、実際に問題の中で考えるように真ん中の次数で割り算して次数を下げるのが定番解法です。(3)はそれの変化球バージョンといった趣です。

 

(1)両辺をx^2で割ることによってyの方程式に変えることができます。

 

(2) yの値が2つ求まるので、それぞれに対してxの2次方程式を解いていきます。

 

(3)前述のように相反方程式、ではないもののその変化球に過ぎず考え方は(1)のそれと全く同じです。両辺をx^3で割ると、α=-6とするとうまくいくことが分かります。

 

(4) 色々な解法が考えられますが、ここではxの2次方程式に帰着させ、それが実数解を持つようなyの条件を判別式から求める解法を採用しています。もちろん、yの式をxで微分してグラフを描いてもよいです。

 

(5)領域図示の問題です。(1)と同様の考え方でyの2次方程式ができますが、その2つの解が両方とも(4)の範囲に収まっていれば、xは全て実数になります。軸の位置で場合分けしてグラフを描き、丁寧に解の配置を調べましょう。

添付答案では見にくいですが、上側の放物線と直線で囲まれた両脇の部分も範囲に含まれています。

 

<筆者の解答>

 

第4問

対数螺旋に関する問題です。

 

(1) Cの接線の方向ベクトルは、(dX/dθ. dY/dθ)となります。物理で言うと速度ベクトルに該当するので、元の座標をθで微分すればよいことになります。

 

(2)Cの法線の「法線ベクトル」が(1)の結果であることを使うと楽に法線の式が計算できます。

 

(3)Qでの法線が(2)の結果から容易に求まるので、それと(2)の式を連立してあげましょう。かなり計算が面倒です。

 

(4) (3)の結果でt→θの極限を考えるわけですが、そのままだと0/0の不定形になってしまうので工夫が必要です。

まず分母にあるsin(θ-t)が邪魔なので、分子にθ-tを無理やり作ることで1に収束する形を作れます。そうして残りの部分が複雑ですが、ここは「微分係数の定義」をうまく利用できないかと考えてみるとよいでしょう。

 

(5) 角度をπ/2だけずらしてあげるとsin,cosが元のCの式と揃い、kを含んだ係数の部分以外はCの式と一致させることができます(Φ=θ+π/2と変換してあげます)。

 

あとは、kを含んだ係数部分が1になればCと完全一致するのですが、果たして1にできるのか?を調べていきます。

 

<筆者の解答>