私立最難関の一角、慶應義塾大学の医学部の問題を取り上げます。
今回は1999年の問題を解いていきます。
第1問
楕円において、「焦点から出た光が楕円で反射すると必ず別の焦点に帰ってくる」という性質を証明する問題です。基本的には誘導に従って解いていけば自動的に証明ができます。
(1)楕円の定義から簡単に計算できます。f=√(a^2 -b^2)でしたね。
(2) (a,b)が楕円上にあることからbを消去できます。
今後に備えて、PFベクトルとPF'ベクトルの成分を調べていく、という方針で考えていきます。
(3)これは教科書レベルですね。x^2, y^2のうちx,y1つ分をa,bに置き換えれば接線の式になります。
(4) (3)の結果から直線PQの方向ベクトルが定まるので、x成分が1になるように係数を調整していきます。
(5) (2)と(4)の結果から内積を計算できます。
(6)内積の定義を使ってcosと絡めていけばよいでしょう。
<筆者の解答>
第2問
関数方程式の問題です。
(1)これは定番の方法ですね。F(0)>0からF(0)の値が求まります。
(2)微分係数は、x=aでの値とx=a+hでの値との間の変化の割合で、h→0としたものでしたね。
(3)定義に従ってG'(a)を計算していきましょう。すると、G'(a)はaによらない値となることが分かります。普通に考えれば0/0の不定形でよく分からない極限なのですが、今回は条件でG'(3)=G(1-log2)が与えられているので、aによらずG'(a)=G(1-log2)となります。
(4) (3)で求まったG'(x)=G(1-log2)を積分すればよいです。そうすると、未知数としてG(1-log2)と積分定数Cの2つが登場するので、これらを確定させるためには2つの方程式が必要です。
ここまでの過程から、x=0とx=1-log2の2つを考えてあげればよさそうですね。
(5)G(x)=logF(x)を使って変形するだけなので、瞬殺です。
<筆者の解答>
第3問
複素数係数の3次方程式に関する問題です。
(1)F(α)=0全体に複素共役を取ってあげれば示せます。
(2) (1)の結果からx=rが解ならx=-rも解になります。あとは解と係数の関係を使ってあげればよいでしょう。
(3) w=izと変換してあげると、F(z)=0はwの実数係数の3次方程式に直ります。
(4)同じくw=izと変換してF(z)=0をwの実数係数の3次方程式に帰着させればよいでしょう。
<筆者の解答>