今日行われた2025年度共通テストの問題を見ていきます。
次は数学ⅡBCを扱います。
※試験当日に解いており、ミスがあるかもしれません。
[1/20追記]自己採点の結果、全問正解でした。
<略解>
<個別解説>
第1問
三角関数の問題で、受験生にとって大きな鬼門となる問題です。
(1)この手の問題は、理系の受験生であれば「和積の公式」を使って積の形に因数分解して処理、というのが一般的な解法かと思いますが、今回はそんな飛び道具に頼らず基本に忠実に解いていく形になります。
ア~ウ:α=βという最も嬉しい場合です。これは基本的な計算過ぎて特に言うことはないです。
エ~ス:α≠βという三角関数特有のややこしい場合です。sinは基本的にはその点のy座標を表していることに注目します。
そうすると、y座標が一致するような角度を探すことになりますが、上側で等しくなるか下側で等しくなるかで場合分けが発生することになります。前者が(ii)で後者が(iii)に相当します。
(2)cosの場合は今度はx座標を表すことになるので、(1)同様α=βの場合とそれ以外で場合分けです。左側でx座標が等しくなるか右側で等しくなるかで場合分けが起きそうですが、結果として両者とも同じ関係式になります。
<筆者の解答>
第2問
対数を実践的に使う問題です。
(1)1日分がr倍となるところを、3日分考えるのですから、1.32倍となるのはr×r×rですよね。この式で両辺対数を取り、対数表から計算していけばOKです。
(2)14日分ともなればもはや対数を使わないと全く歯が立たない計算となります。14乗根なんて計算するのが大変ですからね。
こちらも同様に立式して両辺対数を取ることになります。コでは対数表の値から逆に進数の値を求める作業が要求されます。
<筆者の解答>
第3問
微積分の問題ですが、生半可な理解だとかなり苦戦する問題のような気がします。
(1)
ア~エ:f(x)はF(x)を微分することで求まり、F(x)の増減はf(x)の符号で決まります。これを念頭におけば問題なく解けるかと。
オ~ケ:G(x)はF(x)と同じくf(x)の原始関数なので、定数項分しかG(x)とF(x)は差がありません。つまり両者のグラフはy方向に平行移動した関係にあり、x方向には何も変化がありません。
というわけで、両者とも極小値・極大値となるxの値は全く一緒になります。
(2)
(i)極小値は「下がって上がる」なので導関数が「負→正」に変化し、極大値では「上がって下がる」なので導関数が「正→負」と変化します。
これを念頭に増減表を書けばグラフが書けるでしょう。
(ii)これは面食らった受験生が多そうです。
F(x)やG(x)がf(x)の積分になることは明らかなのですが、積分範囲はどうなるのかが問題です。
積分範囲が両端とも定数だと積分の結果はただの数字になってしまうので、少なくとも一方はxでないといけません。両辺微分して元に戻るためには、上端にxを入れる必要がありますね。
(※下にxを入れてしまうと、微分したときにマイナスが余分に出てきてしまいます。勿論、両方xにすると積分結果が0になってしまうためNGです)
上端がxだと分かったので、今度は下端をどうするかです。これは下端の値をxに代入したときに積分結果が0になる性質を使えばいいでしょう。
テ、ト:0≦t≦kでのf(t)の値はずっと正です。なのでこの範囲で積分した結果も当然正です。F(x)の極大値が正なことは明らかなので、素直に面積の値がそのままF(k)となるわけです。
ナ:同じ要領でG(x)を積分の形で表してG(0)を計算すると-F(k)となることが分かります。
<筆者の解答>
第4問
格子点を数える問題です。数列の問題というより、Σ計算が正しくできるかが問われている大問だと言えます。
(1)~(3)全てに言える話ですが、今回の領域は境界を含まないため、x=n上にある格子点の個数は必ず、f(n)-1となることに注意です。
(1)では等差数列、(2)では等比数列、(3)では2次式のシグマ計算がテーマです。(3)ではそれに加えて恒等式の処理も要求されます。
<筆者の解答>
第5問
統計分野の問題で、選択する受験生が少ないと思うので、省略します。
第6問
ベクトル、というよりも、空間座標に関する問題です。
(1)この大問で唯一ベクトル要素のある小問です。合同なんだから関連する内積だって等しいはずだ、という考えを適用してあげます。
(2)z^2が正であればzは存在し、負であれば存在しません。(ii)の場合、zをわざわざ計算せずともyが-1未満となってSをはみ出してしまうためzが存在しないとすぐに判断できます。
(3)問題文の指示通りに不等式を処理しましょう。
<筆者の解答>
第7問
複素数平面の問題です。
複素数平面は、センター試験時代も含めて今回の新課程で20年ぶりに1次試験にて復活した形になります。
(1)今回計算している分数の値が、直線ABとACのなす角の情報を持ちます。
結果が純虚数となる場合、角度は90°ないし270°、つまり直角に交わることになります。
(2)純虚数ということは、その複素共役は純粋にマイナス1倍したものになるので、足せば0です。
(3)問題文の誘導に従えばよいわけですが、式変形の終盤では整数問題でも頻出する「因数分解もどき」を行うことになります。
(ii)はwの値が(i)と全く同じ式になるためグラフも同じ、(iii)は符号を入れ替えただけだと気付けると楽だったかと思います。
<筆者の解答>