このシリーズでは、平成の東京工業大学の後期日程の数学の問題を解いていきます。
2回目の今回は2010年です。
第1問
数列の収束条件を求める問題です。
(1) an, bnの漸化式の係数が対称的な形をしているので、an+bn, an-bnの一般項を求める方針で行くことができます。
(2) 基本的には「公比が-1より大きく1以下であること」が収束条件であり、今回anには2種類の公比が存在しているのですが、残念ながら両方を同時に「-1より大きく1以下」にすることができません。なので、発散してしまう等比数列の係数=0ぐらいしか、収束させる手立てはないように見えます。
実際a-b>0となるので、等比数列の係数をゼロにしようと思えばa+b=0となる他なく、a-bにくっついている等比数列が収束すればよさそうです。
では、a+b≠0の場合は収束することがないのか?というと、実はそうではないのです。ここが、この問題の引っかけポイントと言えます。この場合にも∞-∞という怪しい極限が出てくるので、この中に収束する場合があるかもしれないのです。
片方の発散する等比数列でan全体をくくってあげると、残りの因数の極限=0となれば、anが収束するかもしれないのです。そう思ってその場合を調べると、そんなt,a,bが見つかります。そして、その条件下では確かにanが収束します。
前者の条件は比較的簡単に見つけられると思いますが、後者の条件を見つけることができたか?そこがキーになる問題でした。
<筆者の解答>
第2問
対数関数の接線に関する問題です。
(1) f(x)=(logx)^2を微分すればよいでしょう(答案では変曲点も調べています)。
(2)x=αが交点の1つになることは明らかなので、それ以外に交点があるかを調べていきます。(1)のグラフから視覚的に調べられるかとも思ったのですが、怪しい部分もあったので方程式の解の個数として、ちゃんと調べることにしました。
方程式を作って微分すると、実質logx/x-logα/αの符号がどう変化するかを調べることに帰着します。y=logx/xのグラフを踏まえて場合分けして調べましょう。
(3) 図を描いて積分計算で面積を求めます。logの絡む積分なので、部分積分を使います。
<筆者の解答>