このシリーズでは、大阪大学の後期の数学の問題を解いていきます。
11回目の今回は2002年です。
第1問
(訂正:AP=xAB、EQ=yEH、HR=xHG、CS=zCG 0<x<1, 0<y<1, 0<z<1 が正しいです)
平行6面体に関するベクトルの問題です。
(1)まずは、P,Q,RのAを始点にした位置ベクトルをx,y,a,b,cを使って求めることが先決です。こうすると、Sが平面PQR上にあるなら、実数α, βを使って、AS=(1-α-β)AP+αAQ+βARと表現できます。一方でSがCS:SG=z: (1-z)となることから、AS=a+b+zcとも書けます。
a,b,cが一次独立なベクトルなので、係数比較でα,βを消去すればzがx,y,sの式で書けることになります。
(2) 0<x<1, 0<y<1, 0<z<1の3つが同時に成立するようにsを固定したときの条件を決めていきます。(1)の結果から0<z<1をx,yの条件に書き換えていけばよいでしょう。
(3) 問題文の式でTがPR上にあることは表現できているので、あとはQS上にある条件を考えます。
<筆者の解答>
第2問
回転体の体積に関する問題です。
(1)図を描けば、容易に座標が求まります。
(2)Pの軌跡をtでの微分で求めてしまえば、定石通りに積分計算で体積が求まります。三角関数が入っているので、計算の手間はかかりますが。
(3) V(a)をaで微分して増減を調べればよいでしょう。
<筆者の解答>
第3問
角の2等分線に関する問題です。
(1) Pの座標を計算すれば、それを符号反転すればQの座標が求まり、そこからlの傾きが求まります。
(2)∠PARの2等分線をnとして、nの傾きtanθを加法定理から計算していきます。あとは、これがy=1/xのAでの接線と直交する条件からtが求まります。
<筆者の解答>
第4問
確率漸化式の問題です。
(1)(2) Xnを3で割った余りは0,1,2のいずれかであり、表が出れば余りが+1、裏が出れば余りは変わりません。これを使って漸化式を作っていきます。
(3) (2)の結果からqnを消去すると、pnをpn-1, pn-2の式で表せ、番号を1つずらすとpn-1, pn-2を消すことができます。
(4) nを3で割った余りで場合分けして、漸化式を解きましょう。
<筆者の解答>