私立最難関の一角、早稲田大学の理工学部の問題を取り上げます。今回は2000年です。
第1問
(1)各関数をそれぞれ微分するだけですね。
(2)xの値で場合分けして積分していきます。
(3) f(x)がx=3/2について対称なグラフになっていることを利用すると楽に計算できます。答案ではt=3-xと変換することで積分値が0だと求めています。
他にもs=x-3/2と変換することで奇関数×偶関数の形になって0、と計算するのもありでしょう。
<筆者の解答>
第2問
ベクトルの問題です。
(1)外心の定義から、P~Rは各辺の中点になります。これを利用すると、条件式をOA, OB, OCの式に書き換えることができます。
(2)△ABCの外接円の中心が外心Oとなるので、円周角の定理を使うと実質∠BOCを調べればよくなります。
この角度は、OA=OB=OCとなることから(1)の結果を使って求めることができますが、値が2種類出て来ます。
(1)の式をAを始点にして書き直すと、Oが△ABCの外側にあることが分かり、結果∠BACが鈍角でないといけないと分かります。ここから角度が求められます。
<筆者の解答>
第3問
まず、α、βの値に関して特に指定がないことが気になりますね。結論から言うと、どっちをどの値にしても結果には影響しません。
今回の問題では最終的にcosθの値が知りたいので、θの符号は最終的には消えてしまいます。そう考えると、z^(-1)の偏角はzの偏角の符号を変えただけのものになるので、αとβを入れ替えたところでcosθの値は変わらない、と言えるわけです。
α、βが実数か虚数かがtの値で変わるので、場合分けした上でcosθを調べましょう。cosθはθ=arg(z)のとき、zの実部÷|z|で求まります。
<筆者の解答>
第4問
パラメータ表示された曲線に関する問題です。
(1)~(3)
(1)だけ単独で求めるのは難しいので(3)までまとめて解いてしまいます。
x,yを両方tで微分することでdy/dxが求まり、Cの概形が描けます。こうすると「Cは直線y=xについて対称なのでは?」と予想できるので、これを示していきます。
パラメータを見るとt<0の部分がy=xの上側、t>0の部分がy=xの下側となっているので、(x,y)でtを-tに置き換えれば常に(y,x)に置き換わる、という方向で証明できそうです。
(4)ここまでの結果から、y=xで2等分して面積計算するとよいでしょう。y方向にグラフが2重にならないようにt<0の部分で積分すると考えやすいと思います。
積分は三角関数がメインなので、置換積分をうまく使っていきましょう。
<筆者の解答>
第5問
確率の問題です。
(1) (2)で漸化式を立てる上での布石となる条件付確率の導出になります。
数字の対称性から、数字列が「100000」の状態から考えても一般性を失いません。この時に、1が一個の状態が維持されるには、「同じ目が2連続で出る」か「1とそれ以外の目が1回ずつ出る」であればよいわけです。
(2) 1が3個ある確率をrnとすると、奇数回後の1の個数が必ず奇数個になることを鑑みるとpn+qn+rn=1が成り立ちます。
これを利用しpn+1とqn+1をpn, qn, rnで表して、rnを消去すればOKです。各係数は(1)と同じ要領で求まります。
(3) 上記の考察から、実質pn+qnの一般項が求まればよいので、(2)の漸化式の両辺を足して解けばよいです。
<筆者の解答>