ちょぴん先生の数学部屋

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2024年度 旧帝大+一橋+早稲田商 入試文系数学ランキング

国公立2次試験の前期日程が終わってから2週間になりますので、ここで総括を兼ねた個人的な難易度ランキングを発表します。

 

理系編:

2024年度 旧帝大+東工大+早慶理工+難関医学部 入試理系数学ランキング - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

 

第9位:北海道大学

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今年最も簡単なセットは、理系同様北海道大学でした。

 

第1問は約数の個数・総和を考える問題で、強いて言えばこの問題が差が付くかもしれない問題です。

第2問は標準的な漸化式の問題で、ご丁寧に誘導までついています。これは確実に解けなければダメでしょう。

第3問も至って標準的な3次関数の問題で、こちらも完答必須です。

第4問は確率の問題で理系第2問の廉価版です。理系のそれと比べても難易度が大幅に落ちているので解き切りたいところです。

 

第8位:九州大学

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8位は九州大学です。

 

理系のセットで平易だった問題が共通問題となっていて、文系オリジナルの問題も難易度は高くありません。

 

第1問は2次関数の共通接線の問題で、至って標準的です。

第2問はベクトルの問題で、差が付くとしたら計算量が多めなこの問題のような気がします。

第3問は整数問題で発想も難しくないため、ぜひ完答を狙いたいです。理系第3問が共通問題でした。

第4問は正直直線を数え上げるだけのあまり面白くない問題です。理系第4問が共通問題でした。

 

第7位:名古屋大学

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7位は名古屋大です。

名古屋大としては大分易しいセットに思えます。

 

第1問は3次方程式とその関連問題で、誘導に従っていけば自然に解けてしまうと思います。

第2問は放物線と直線の交点の問題で、これも問題文の指示通りに計算すればいいだけです。

第3問は確率の問題で、この問題は差が付くと思いますね。

 

今年は理系との共通問題はありませんでした。

 

第6位:一橋大学

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6位は一橋大学です。

今年の一橋のセットは厄介な問題が殆どなく大分易しめな問題が多い印象です。

 

第1問はお得意の整数問題です。

第2問は典型的な放物線絡みの面積の問題のため、完答必須でしょう。

第3問は多項式の割り算ですが、2乗の形の2次式で割ってるところが少々厄介なポイントです。

第4問は空間図形の問題で、ベクトルを使えばよく発想で詰まるところはないと思います。

第5問は今年の東大文系第4問の三角形バージョンと呼べる問題です。

 

第5位:大阪大学

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5位は大阪大学です。

 

阪大の文系にしては難易度が高めなセットです。

 

第1問は絶対値付き2次関数の問題で、この問題は全体を考えると落とせないでしょう。

第2問は理系第3問と実質共通の問題で、抽象度が若干緩和しています。とはいえ文系の受験生にとっては相当厳しい問題だと思います。

第3問は素数の問題で少し発想力が必要かもしれません。

 

第4位:東北大学

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4位は東北大です。

 

理系に比べれば穏やかではありますが、それでも理系のセットでも難問だった問題が共通問題として出てるだけに難しい印象です。

 

第1問は2次関数の問題で今回のセットでは易しめの問題です。理系第1問が共通問題でした。

第2問は方べきの定理の問題で、初等幾何を疎かにした受験生にピンポイントで刺さるような問題でした。

第3問は(1)の不等式評価が閃きなしでは難しいです。logの微分を使わない分文系の人の方が正解ルートにたどり着けそうな気がします。なお(2)は(1)とは独立に解けるので、(2)だけ解いて部分点を稼ぐのが有効です。理系第2問が共通問題でした。

第4問は(1+√2)^nの展開と1次不定方程式の問題で、やることは難しくないもののやや工程が長いです。

 

第3位:京都大学

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3位は京都大学です。

 

今年の京大文系はかなり難しい問題が揃ってます。

 

第1問は四面体の体積ですが、意外と計算しづらい形をしています。

第2問は理系第1問の廉価版であり、状況の把握がやや難です。

第3問は文句なしで本セット最難問です。絶対値がある時点で場合分け地獄になるのは目に見えています。

第4問は京大お得意の「○○進数」の問題ですが、10進法のときと同じ考え方を適用できたかがカギです。

第5問は本セットの中では最も易しい問題で、これを落とすともはや後がなくなってしまうので必ず完答すべきです。

 

第2位:東京大学

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2位は東京大学です。

 

易しめだった昨年とは一転して、骨のある問題が多めです。これが本来の東大文系の難易度だと思います。

 

第1問は方針建ては容易で(2)までは解けるものの、(3)は微分を使用しない文系のみの知識だと経験が必要で思いつかなかった人もいたかもしれませんね。

第2問は(1)は対数を取るだけの簡単な問題ですが、(2)は考察が必要な難問と言えるでしょう。

第3問は基本的に計算でゴリ押す問題なので、第2問(2)が解けない場合はこっちにリソースを割いた方が良かったと思います。

第4問は、今年の一橋第5問の「四角形」バージョンと評せる問題です。類題経験があればサクッと解けるでしょうが、逆に経験がないと難しく感じたかもしれませんね。

 

今年は理系との共通問題はありませんでした。

 

第1位:早稲田大学商学部

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栄えある1位は、早稲田商学部です。昨年に引き続き2連覇達成です。

 

相変わらず本当に文系向けかと思うような難しいセットですが、昨年よりは多少はマシになった気がします。

 

第1問は例年通り小問集合です。

(1)はただの不等式を解く問題なので落としてはいけないでしょう。

(2)は本番では捨てるべき難問です。

(3)は少し式を弄ると解けるタイプの漸化式ではありますが、問題文が少し不親切だと思います。

(4)はよくある放物線の面積なので、仕留めたいところです。

第2問は面積が2,3番目に大きくなるような点の配置を考える問題で、過不足なく数え上げることと面積の大小比較が結構面倒です。

第3問は基本的にはベクトルの処理なのですが、(2)では計算のごり押しだけだと必ず詰むタイプであり、図形的考察が必須です。

 

 

 

というわけで、文系編のランキングでした。今年も受験お疲れさまでした。