ちょぴん先生の数学部屋

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平成の早稲田理工数学 1999年

私立最難関の一角、早稲田大学理工学部の問題を取り上げます。今回は1999年です。

 第1問

関数の増減を調べる問題です。

 

(1) f'(x)ではなくわざわざf'(a)を要求してる時点で、「0」のような特別な値になりそうだと予想できます。とりあえず、f'(x)を力づくで計算してx=aを代入しましょう。

 

(2) f'(x)のままだと符号変化が掴みにくいので、もう1度微分してf'(x)の増減を調べましょう。これと(1)の結果から、x=aでf(x)は最小値を取ることが分かります。

 

<筆者の解答>

 

 第2問

積分方程式の問題です。

 

与式の積分部分がただの定数なのでaとおけます。こうして求まったf(x)の式をaの式に代入してaを求めてあげればよいです。

 

<筆者の解答>

 

 第3問

複素数平面の問題です。

 

(1)zをwの式に直して、zの条件式に代入して整理していきます。

 

(2) (1)の結果からwの実部と虚部がパラメータ表示できます。そのパラメータを使って与式を計算して、実部と虚部を調べましょう。

 

tanθは虚部÷実部で計算されますが、この式は微分して増減を調べることもできなくはないですが、少々面倒です。

ここは、「2点を結んだ線分の傾き」と解釈し直して視覚的に値域を求めた方が速いです。

結果tanθは負の値全体となりますが、実部・虚部自体の符号を調べることで、さらにθの範囲を絞れます。

 

<筆者の解答>

 

 第4問

フェルマーの最終定理の特別な場合について考える整数問題です。

 

(1)2乗の和の形を作ることで、a,bの範囲を絞ることができます。

 

(2)これはフェルマーの最終定理のn=3の場合で、かつzが素数に限定された場合について考えていることになります。

左辺を因数分解すると、(1)の形が登場しますが、その各因数にpをどう配分するかを考えるときに因数同士の大小関係の情報が必要になります。ということで(1)の結果が利用できそうです。

 

まず(1)の答えについては、個別に検討することで全部不適だと分かります。次に(1)の答え以外のときは、1<a+b<a^2-ab+b^2となるので、pの配分はa+b=p, a^2-ab+b^2=p^2に絞られます。この時に不適なことを示せばよいでしょう。

 

なお、一般のn=3の場合の証明はこちらで行っています。

フェルマーの最終定理のn=3の場合の証明  - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

 

<筆者の解答>

 

 第5問

格子点の個数に関する問題です。

 

(1)(2)

y軸に平行な直線x=i上にいくつ格子点があるかを調べて和を取ればa(n)となります。

 

(3) k≦√n<k+1を利用して、a(n)をnだけの不等式で評価して、はさみうちに持ち込めばOKです。

 

<筆者の解答>