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平成の北大理系後期数学 -2000年-

このシリーズでは、平成の北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

20回目の今回は2000年になります。

 

第1問

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円と直線の交点に関する問題です。

 

(1)図を描くと、直線PQとAとの距離が1以下になることが条件だと分かります。

 

(2)図を描いて、扇形と三角形の面積を考えてあげればよいです。

 

(3) Rの座標を文字でおいて、Rがx+y=a上にあることと角度の情報(=内積の情報)から攻めていきます。

 

<筆者の解答>

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第2問

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2次関数と指数関数の混じった方程式の解に関する問題です。

 

(1) (2)fn(x)を平方完成したうえで、2次関数の部分と指数関数の部分に分けて、両者の交点を考えてあげると、視覚的に解くことができます。

n+1/n-2≦anの証明には、fn(n+1/n-2)の符号判定が必要です。

 

(3) pn, qnは直接nの式で求まり、n→∞で両者とも発散します。

このとき、fn(pn)とfn(qn)がn→∞で0になることに気付けるとよいと思います。

 

(4) (3)の結果を使えば、qn-pnの極限計算に帰着できます。

 

<筆者の解答>

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第3問

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積分で書かれた関数の最大最小を考える問題です。

 

xの範囲によって場合分けして絶対値を外して、積分を計算していきましょう。

すると、F(a)は周期2πの周期関数になるので、最大最小になるaは周期2πで無限個出てきます。

 

<筆者の解答>

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第4問

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空間内の点の軌跡を考える問題です。

おそらく、問題文の末尾にミスがあると思われます。

 

P(p, p^2, 0)としてQの座標をベクトルの知見を使って求めてあげて、pを消去することでQの軌跡が求まります。

 

ここで求まる軌跡が「楕円」になるので、1つの円に含まれるのはaによらず当たり前です。なので、「1つの円に含まれるようなaを求めよ」は問題文が成立していません。

 

おそらくは、「1つの円に含まれることを示せ」ないし「軌跡が円になるようなaの値を求めよ」が、正しい問題文だろうと思います。

 

<筆者の解答>

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