このシリーズでは、平成の北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
21回目の今回は1999年になります。
第1問
放物線と法線で囲まれた図形の面積と、回転体の体積を求める問題です。
(1) 法線の式を求めて、元の放物線の式と連立すればよいでしょう。
(2)標準的な積分の計算問題です。1/6公式を使うと楽に進みます。
(3)考える立体は、放物線を回転してできる立体から円錐をくり抜いたものになるので、それぞれの体積を考えるとよいです。
正直aに具体的な値を入れずに面積・体積を「aの式で表せ」でも十分だった気がするのですが。。。
<筆者の解答>
第2問
三角形を題材にした線分の長さについて考察する問題です。
抽象的な問題設定になっているので、AB=AC=a, 速度を1、∠BAC=θと自分で設定して考えると見通しがよくなります。
(1) t秒後のPQの長さは余弦定理を使うとtの式でかけるので、tを動かして最小化しましょう(解答ではベクトルを使ってますが、いずれにせよ本質的には一緒です)。結果として、△ABCが正三角形だと分かります。
もっとも、PQが最も接近するのは、PとQがそれぞれAB,ACの中点に来る時だと直感的に分かるので、問題文の条件から△ABCが正三角形だと薄々分かってはしまうのですが笑
(2)底辺の長さの比から面積比が分かるので、そこからtがaの式で求まります。その上でPQの長さを求めればOKです。
<筆者の解答>
第3問
ピタゴラス数を題材にした問題です。
斜辺の長さをa, 残りの2辺の長さをb,c(b>c)として考えていきます。
(1) bとcが両方奇数だと矛盾が起こることを示します。ポイントは平方数を4で割った余りです。
(2)a-b=1を使うと、a,bがcの式で書けて、かつcは3以上の奇数でないといけないと分かります。
<筆者の解答>
第4問
三角関数を含んだ方程式の解に関する問題です。
(1) f(x)を微分してもうまく増減が調べられないので、f(x)=0をtanx=1/xと変形して、y=tanxとy=1/xの交点を考えることにします。
(2) はさみうちの定理に持ち込みたいので、なんとかan-2nπの不等式を作りたいです。と思ったときに、0<θ<π/2のときにsinθ<θ<tanθが成り立つことを思いつけるとよいと思います。これとan→∞(n→∞)を利用すると、証明することができます。
<筆者の解答>